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東京の賃貸住宅は「あきらめの住まい」/リクルート住宅総研調査

 (株)リクルート住宅総研は20日、「愛ある賃貸住宅を求めて」と題した賃貸住宅生活実態調査を発表した。

 同研究所は、過去2年にわたり「既存住宅流通活性化レポート」「住宅長寿命化大作戦」を発表し、ストック型住宅市場の形成に向けた提言を行なってきた。今回の調査は、賃貸市場が新築市場、既存住宅市場の礎となる市場である、と位置付け、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京(首都圏)の民間賃貸住宅居住者へのアンケート結果などをもとに、民間賃貸住宅市場の課題について指摘した。

 同調査では、住まい選びの際、日本人が「家賃」「利便性」「築年数」を重視するのに対し、欧米人は地域や近隣、建物・部屋へのこだわりを重視していることがわかった。また、住まいに対する満足度では、欧米人は「満足している」という割合が一様に低く、日本人は、大きな不満はないが満足も愛着もない「あきらめの住まい」という意識が強い、という結果となった。

 一方、集合住宅内でのコミュニティについて質問したところ、欧米は「おおよそ他の住民とは顔なじみである」が6割超だったのに対し、日本は「会えば挨拶をする」以上の関係はなく、孤独度とストレスが大きいこともわかった。

 調査結果を踏まえ同研究所では、「賃貸を楽しくするための課題」として、築20年以上の物件のリノベーション投資への減税、入居者のDIY、セルフリノベーションの奨励を挙げたほか、礼金・更新料の廃止、原状回復ルールの見直しなどを提案。また、住民同士や住民と地域が触れ合う共用スペースの設置など、コミュニティ醸成の必要性なども提言した。


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