(株)ニッセイ基礎研究所は28日、第7回不動産市況アンケート結果を発表した。10月4日~15日にかけて、不動産分野の実務家や専門家214人を対象に電子メールでアンケート調査を実施したもので、124人から回答を得た。
不動産投資市場の現在の景況感は、「悪い」が14.5%、「やや悪い」が64.5%、「平常・普通」が13.7%、「やや良い」が7.3%、「良い」は0%となった。「やや悪い」と「悪い」の合計が8割を占めたものの、「平常・普通」や「やや良い」という回答がほとんどなかった08年・09年と比べると景況感は大きく改善している。
6ヵ月後の見通しについては、「変わらない」(50.0%)、「やや良くなる」(42.7%)が多くを占めた。
現時点で最も有望とみられる投資対象は、「賃貸マンション」が32.6%で最も多く、次いで「オフィスビル」(28.2%)、3位が「物流施設」(14.4%)となった。賃貸マンションはオフィスビルと比較して景気による賃料や空室率の変動が小さいことなどが高評価につながったと分析している。
今後5年間で最も有望とみられる投資対象は、「オフィスビル」が47.0%と最も多く、次いで「中国などアジアの不動産」(18.2%)、3位が「物流施設」(9.1%)となった。
省エネなど環境配慮に特に優れた不動産に対する利回りプレミアム(利回りの引下げ)を考慮するか聞いたところ、「-0.3%~-0.1%」が50.0%と最も多く、そのほか、何らかのプレミアムを考慮するとした回答を含めると4分の3を占めた。環境配慮型不動産に対して一定の評価をしていることが明らかになった。
不動産市場が長期・持続的に成長するために必要と思われる政策は、「海外からの不動産投資資金流入政策」が58.1%と最も多く、次いで「J-REIT市場など不動産証券化市場の信任回復政策」が54.0%となった。

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