(株)矢野経済研究所は2日、ビル管理市場に関する調査結果を発表した。
調査は、2010年6~9月にビル管理業者227社を対象にアンケートを実施、同社が市場規模を予測分析したもの。
09年度のビル管理市場規模は2兆9,184億円、前年度比97.2%。経済不況の影響を受けてビルオーナーによる経費削減傾向が強まり、契約価格の減額要請やリニューアル工事の延期および中止が多発。08年度に引続き減少した。
同社では、発注先の決定に入札方式が増加し、定着する傾向が強まっているとしたうえで、参入事業者は従来以上に価格競争力をつける必要が高まっていると指摘している。また、環境・省エネ対応がさらに拡大しているという。
10年度の市場規模については、前年度比95.1%の2兆7,746億円と予測。ビル管理事業者227社の短期需要見通しアンケート調査結果では、47.1%が横ばい傾向、33.5%がやや減少もしくは減少傾向と回答。同社では、09年度からさらに悪化することはなく、下期にはやや回復基調が見られるとしながらも、概ね底ばい傾向が続くと見通している。