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スマートハウスのコンセプトモデル住宅公開/住友林業

スマートハウスのコンセプトモデルの外観。同社商品「MyForest(マイフォレスト)」に「HEMS」を組み入れた
住宅内の発電・消費電力を見える化。消費電力が見れるほか、発電した電力の振分けや制御などの操作なども可能。写真はテレビだが、タブレット型コンピューターなどの携帯端末でも対応できる
住宅用蓄電池システム。電気自動車「リーフ」搭載されているリチウムイオンバッテリーを応用したもので、写真はモックアップ展示で来年度中の発売をめざす

 住友林業(株)は5日、スマートハウス(ITを使用して消費電力を制御する住宅)のコンセプトモデル住宅を公開した。

 同モデルハウスは、「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」が「環境技術ショーケース」として取組みを集中させている横浜市みなとみらい21地区の総合住宅展示場「横浜ホームコレクション」(横浜市西区)において、11月7日から実施されるAPEC(アジア太平洋経済協力)リーダーズウィークの開催に合わせAPEC会議参加者、および取材メディアを対象とするYSCPデモンストレーション展示にモデル住宅展示として協力するもの。

 住宅の建設・運用・解体・廃棄までの一生涯に排出するCO2を徹底的に減少させるさまざまな技術導入と、それらを使いこなす省エネ型生活行動を前提としたうえで、太陽光、太陽熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー利用によって、ライフサイクルトータルのCO2収支がマイナスとなる住宅「ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM住宅)」として、(株)東芝の開発したITシステム「フェミニティ」を活用した「ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)」を採用。電力会社から購入する電力と家庭で創りだすエネルギー、それらをバランスよく蓄える蓄電池、家庭内におけるこれら3つの電力系統と消費するエネルギーを統括して最適にマネジメントできる。
 同社執行役員の三川 卓氏は「今回の住宅では4つの柱がある」として、(1)エネルギーを省く、(2)エネルギーをつくる、(3)エネルギーを蓄える、(4)エネルギーの見える化をあげた。

 (1)は太陽光や自然風を活用したパッシブデザインの採用。(2)(3)ではCIS型薄膜系太陽電池を使用した太陽光発電システムでつくった電力を、住宅用蓄電池で貯める仕組み。なお、住宅用蓄電池システムは、日産の電気自動車「リーフ」搭載されているリチウムイオンバッテリーを応用、2011年度中に発売を予定している。
 (4)は、HEMSを活用し、住宅内における電力エネルギー消費をインターネットを利用してウェブブラウザ内蔵のテレビ、携帯端末などから確認・操作を可能にしたほか、効率的な電力の振分けや制御が容易にできるようにした。
 そのほか、高効率エアコン、エコキュート、LED証明などを導入している。

 また、ITを活用し電力供給の最適化するスマートグリッド技術を導入し、再生可能エネルギーを用いた分散型発電システムや電気自動車の充電システム、高効率な空調装置を用いたビル・住宅などの都市システムが結合され、CO2排出量が少なく環境負荷の低い社会インフラを整備する「コミュニティエネルギーマネジメントシステム(CEMS)」との連携により、天候による電気消費量の予測や地域電力の過不足への対応などが行なえる。

 同社では、CEMSやHEMSを組み込んだスマートハウスの考え方、それに組み込まれる設備機器の展示や解説などを行なっていくことで、同社が保有する先進の技術を国内外に発信していく方針。


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