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「不動産投資市場戦略会議」の報告書を公表/国土交通省

 国土交通省は17日、不動産投資市場のあり方について、戦略的な見地から検討を行なうために、国土交通大臣の私的諮問機関として設置された「不動産投資市場戦略会議」(座長:牛島総合法律事務所 弁護士・田村幸太郎氏)の報告書をとりまとめた。

 Jリートや私募ファンドの形で証券化されている資産は約33兆円という現状に対し、不動産の再生や有効利用に活用でき、不動産・金融両市場の活性化を通じて国民の豊かさに貢献できる不動産投資市場として整備するため、対応策を検討すべきと提言。

 「デッド市場の課題」として、不動産価格の上昇期に貸出姿勢が緩み、下落期には抑制されている点、ノンリコースローン等の出し手が特定の主要銀行に大きく依存している点等を挙げ、対応策として、不動産・金融当局による健全な市場発展へのコミットメントの発信、公的機関の関与による長期のデッド商品を検討(フラット10)するとした。

 また、「Jリートの課題」として、Jリートの長期の資金需要と銀行等の融資期間のミスマッチが生じている点、資金調達手法が成約され、リファイナンスリスクへの対応が困難であることを挙げ、対応策として、資金調達手法の多様化(転換社債の発行、自己投資口の取得等)、内部留保の拡充を図るとした。
 
 そのほか、「私募ファンドの課題(Jリート以外の不動産証券化の仕組み)」、「不動産市場固有の課題」、「税・会計上の課題(投資ビークルの税制・会計的安定性」、「不動産投資市場と金融の循環システムの課題(取組の縦割りの改善)」などについても対応策をまとめた。

 詳細は、国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo16_hh_000050.html)を参照のこと。


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