シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)は12日、2010年12月期の全国12都市の賃貸オフィスビル市場動向を発表した。
東京23区全体では、空室率が再び上昇し7.7%(前期比0.2ポイント増)となった。一方、Sクラスビルは4.1%(同▲0.7ポイント)、Aクラスビルは4.9%(同▲0.5ポイント)と空室率が改善し、東京23区全体との差が顕著となっている。この理由について同社は、「業務効率化を見据えた統合集約移転先としてスペース効率の良いS・Aクラスビルが賃料の底値として選好された結果」としている。
また、地方都市においては、急激に空室率が上昇した都市はなく、名古屋市や仙台市といった過去に最高値を大幅に更新した都市でも沈静化してきているとする一方、大阪市では市全体およびSクラスビルでも上昇しており、「今後予定されている大型供給は、需給バランスの先行きに不安を残している」と分析している。