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マンション建替え活性化へ、東京都に政策提言/全日東京

 (社)全日本不動産協会東京都本部(本部長:原嶋和利氏)は28日、「東京マンション政策への提言」をまとめ、石原慎太郎東京都知事に提出した。

 同提言は、同本部が主宰する全日東京アカデミー運営委員会調査・研究小調査委員会が2010年7月から進めてきた「マンションの老朽化問題と建替え」研究の成果をとりまとめたもの。震度7以上の地震で倒壊の恐れがあるいわゆる「旧耐震基準」マンションが都内に40万戸以上あり、それらマンションや住民の安全性だけでなく、都市防災、防犯、地域社会への悪影響も大きいとして、老朽化マンション建替え活性化に資する政策を提案した。

 提言では、マンション耐震化診断の義務化とその後の建替え誘導、再開発手法の援用による事業手法の整備、賃貸マンション建替えに係る税制優遇措置の拡充、管理組合等に対する「マンション再生トレーニング」の実施など、「出口論」議論の活性化などの政策を提案。さらに、マンション建替えの合意形成が難しい現況を打破するため、老朽化の進んだマンションの維持管理や建替えに国が介入するフランスの集合住宅管理モデルの検証と採用を提案している。

 また、同協会では、同提言の実現をサポートするため、会員会社を通じ、マンション居住者コミュニティ形成への助言や管理組合育成への協力、マンションオーナーへの建替えに係る意識改善などの啓発を行なっていく。さらに、マンション建替えと大規模修繕について、専門家がマンション管理組合や会員からの相談を受け付ける「マンション建替え・大規模修繕相談センター」を、今年4月にも設置する。

 なお、同協会事務局では、会員会社が管理する「旧耐震マンション」は、最低でも約200棟、1万6,000戸に達するとしている。


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