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「スマートグリッド」テーマに講演会を開催/積水化学工業

「今後もさらなる研究を進めていきたい」と語る村上部長
「エネルギーシステム全体の需給の協調というメカニズムをつくる必要がある」と話す荻本特任教授

 積水化学工業(株)は8日、報道関係者向けに講演会「スマートグリッド構想とその展望~新技術・HEMS(ヘムス、Home Energy Management System)の役割~」を開催した。

 第1部では、「スマートグリッド構想とその展望~新技術・HEMSの役割~」をテーマに、東京大学生産技術研究所エネルギー工学連携研究センター特任教授・荻本和彦氏が講演。「スマートグリッド」の定義を、電力システムの供給調整能力を高め、そのバランスを最適化しようとする仕組みとし、実現に向けた課題の解決策として(1)電力供給の低炭素排出化、(2)電力需要の新しい利用技術の導入・普及、(3)経済社会活動でより重要性を増す電力の供給信頼度の確保を挙げた。
 また、低炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入がいっそう促進されるとしたうえで、新たな課題として時間や天候の変化を受けやすいという点などを指摘した。

 第2部では同社住宅カンパニー技術部・太田真人氏が「スマートグリッド社会実現を可能にする新技術-HEMS-」をテーマに講演。電力の一元管理や見える化を可能とする技術「HEMS」により、各家庭による省エネルギーの目標設定が可能となり、より計画的な行動ができるようになると解説。2020年頃には関連サービスの市場拡大などから国内1,000億円市場に成長すると見込まれていることなどを発表した。

 同社住宅カンパニー住宅事業部長の村上和正氏は、「当社では1998年より太陽光発電住宅を発売し、2010年末現在で9万5,000棟を達成している。また、今春には日本電気(株)(NEC)との業務提携によりHEMSと太陽光発電を搭載した住宅の販売を予定している。今後も入居者にメリットとなる研究を重ね、あるべき住まいづくりを模索していきたい」などと語った。


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