(社)リノベーション住宅推進協議会は18日、区分所有マンションの1棟全体および戸建住宅におけるリノベーションの品質基準を策定、会員会社やプレスに向けてその内容を発表した。
同会は、建物タイプ別にリノベーションの「統一基準」を設定することにより、事業主・消費者それぞれが抱えている不安を解消し、既存住宅流通活性化をめざしている。「検査→工事→報告、保証+住宅履歴情報」のフローに則り、一定の品質基準を満たすリノベーション物件を「適合リノベーション住宅」として認定している。
同取組みの第1弾として、2009年9月より「区分所有マンションの専有部」を対象とした「R1住宅」をスタート。適合物件数は4,066件に上る(1月25日時点)。
今回策定した品質基準は、「区分所有マションの1棟全体」の「R3住宅」と、「戸建住宅」の「R5住宅」。「R1住宅」で設定した「内装・インフィルの劣化診断」「保証」「住宅履歴情報の蓄積」に加え、「設備・防水・構造の劣化診断」「耐震評価」「維持・管理・修繕」も対象項目とし、より長期的な視点でユーザーが安心を得られる条件とした。R3住宅は、第三者機関である既存住宅売買瑕疵保険の付保、中古住宅適合証明(フラット35)の取得、長期修繕計画の設定などを新たに採用し、R5住宅もそれに準する基準となっている。
適合のための概算コストは、1戸当たり「R3住宅」が約10~12万円、「R5住宅」が約25万~50万円。同会副会長の内山博文氏((株)リビタ常務取締役)は、「当会の認定を受けることで、他物件との差別化が図れるだけでなく、瑕疵保険の任意団体割引きを受けられたり、リーズナブルな建物検査や住宅履歴情報蓄積システムが利用できたりと、事業者としてのメリットも大きい」と説明した。
また、「空室・空き家に悩む地方では、特に戸建住宅の基準が求められていた。戸建再販事業が下火になっているなか、『R5住宅』はまず認知度向上をめざしたい」(同氏)と初年度目標を語った。「R3住宅」は500戸以上の適合件数を見込む。
なお、同会では、「区分所有マンション専有部+共用部」を対象とした「R2住宅」の基準も現在検討している。