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個人仲介営業強化、専門部署設置しスタッフ倍増/東建不販

「社員からの声などもヒントに、新たな柱となるビジネスモデルを作りたい」などと語る、次期社長となる倉重喜芳氏(写真左、右は坪井和重社長)

 東京建物不動産販売(株)の代表取締役社長・坪井和重氏は21日記者会見を開き、2011年12月期の経営戦略等について説明を行なった。会見には、次期社長就任が内定(3月29日付)している代表取締役副社長・倉重喜芳氏も同席した。

 同社の10年12月期決算は、連結売上高274億4,400万円(前年同期比38.7%増)、営業利益28億1,600万円(同:営業損失24億8,600万円)、経常利益23億6,400万円(同:経常損失31億6,200万円)、当期純利益13億1,000万円(同:当期純損失57億4,200万円)。仲介事業で、投資用不動産などの大型取引が成立。仲介手数料収入が25億8,100万円(前年同期比65.7%増)と急増したことや、マンション管理会社の東京建物アメニティサポート(株)の連結化が収益寄与。出資を行なっていたSPCの物件売却益計上とたな卸資産評価損計上の減少もあり、黒字化した。

 一方、11年12月期については、法人仲介における大型案件取引が前期ほど期待できないと見込み、それを補うべく個人仲介に注力する。これまで本店営業部で手がけていた都心部のリテール営業部隊を新たに「リテール営業部」として独立。スタッフを4名から8名に倍増した。同部では、都心エリアでの仲介営業に加え、既存顧客からの紹介・リピート獲得に向けたアプローチ、東京建物アメニティサポートが管理するマンションユーザーの住み替えニーズ掘り起こしなどに注力。11年度の個人仲介手数料収入8億円(同21.7%増)をめざす。
 また法人仲介に関しては、芙蓉グループ企業へのアプローチ、賃貸事業の社宅管理代行を切り口とした法人顧客開拓などで、仲介手数料収入18億円(同▲6.3%)を確保する。
 2011年12月期の業績予想は、販売用不動産の減少、出資SPCからの配当減などの要因から、連結売上高265億円(同▲3.4%)、営業利益22億円(同▲21.9%)、経常利益18億円(同▲23.9%)、当期純利益15億円(同14.5%増)を見込む。

 社長を退任する坪井氏は、「社長就任初年度(09年12月期)は、市況の変化による法人仲介の不振と、販売用不動産の多額の評価損計上で、57億円もの赤字を出した。そのため、東京建物アメニティサポートの子会社化による新たな収益基盤の確保や、財務体質の強化に注力し、10年12月期は全セグメントの黒字化を達成し、私の役割は全うできた。新たな成長に向けた基盤づくりは、新体制で臨むべき」と語った。
 また、次期社長となる倉重氏は「坪井社長とは、この2年間、毎日のように膝を突き合わせ、経営課題と向き合ってきた。社員からも、新たな成長のためのアイディアが、100件以上寄せられている。この中からヒントを得て、新たな収益の柱となるビジネスモデルを作り、着実に前進していきたい」と抱負を述べた。


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