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研究報告会「超高齢社会と農ある暮らし」を開催/都市農地活用支援センター

「サービス付き高齢者向け住宅に、体験農園などを付加した高齢者の住まいを提案したい」と述べる(財)都市農地活用支援センター理事長の角地德久氏

 (財)都市農地活用支援センターは21日、すまい・るホール(東京都文京区)で研究報告会「超高齢社会と農ある暮らし」を開催し、約190人が参加した。

 冒頭、主催者を代表して挨拶した同センター理事長の角地德久氏は、都市農地保全策として「終の棲家の決定版として需要の増加が見込まれているサービス付き高齢者向け住宅に、体験農園など『農ある暮らし』を楽しむ仕組みが付加された住まい方を普及促進させていきたい」と今後の方針を示した。

 続く来賓の挨拶では、国土交通省土地・水資源局土地政策課土地企画調整室長の清瀬和彦氏が、都市部で高齢者が生きがいを持って暮らすことや、都市農地の保全と利活用の重要性を指摘したうえで、「(同センターとともに)都市農地が有する緑地空間や農業体験の場の提供など、多面的な機能を定量的に評価する手法の構築に向けて調査をしている」と述べた。

 また、「環境市民のライフスタイル」と題して基調講演した東京農業大学名誉教授の進士五十八氏(農学博士)は、高齢者のリタイア後の活動として、経験や知識などを生かしながら、仕事と遊びの中間領域に当たるボランティアとして「農」とふれあうことを提案、「誰かのためにと気負うことなく、自己実現のために農に関わることで、地域など外部との良好な関係を築き、いい仲間を作り、結果として農村が救われることになればいい」と期待を寄せた。

 研究報告では、地域福祉における園芸療法や、隣接する生産緑地を活用して入居者が農作業を体験できる介護付き有料老人ホーム、屋上庭園で園芸などを楽しめる多世代型賃貸住宅の事例など、サービス付き高齢者向け住宅と組み合わせることができる取組みが紹介された。


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