(株)一五不動産情報サービスは28日、調査レポート「東日本大震災による物流施設の不動産マーケットへの影響」を発表した。
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震が全国の物流不動産マーケットに与える影響を考察したもの。震災前のデータを活用した。
それによると、東北エリアには全国物流施設の5.7%にあたる倉庫があり、そのうち大型(延床面積または敷地面積5,000平方メートル以上)の賃貸物件は22万9,000平方メートルと、限定的であることがわかった。
なお、東京圏の物流倉庫でも被害を受けた施設の代替物件として一時的な需要が発生しているが、不確実性が高まっている現況では今後の需要減退、もしくは需要顕在化の先送り懸念があると指摘。
また、湾岸と内陸の立地評価、耐震基準、地盤など物流施設の選定基準の変化や、電力不足による工場の稼働率の低下が懸念されることから、一部商品の生産を他の工場に移転したり、海外流出も考えられ、その場合は大規模な工業用地の売却が増えると予測している。
個人消費との相関について、日用雑貨・医薬品・トイレタリーなどの生活必需品の需要が高まることで、一時的に物流倉庫のニーズ拡大が予想されるが、家電・アパレルなどは売行きが停滞する懸念があり、個人消費が低迷すれば流通する物品が減少、遅行して倉庫ニーズも減退する可能性が高いとしている。
詳細は同社ホームページを参照のこと。