ジョーンズ ラング ラサール(JLL)はこのほど、レポート「グローバル不動産市場の見通し(2011年第1四半期)」を発表した。
レポートでは、賃貸の取引額が過去2年で最高水準にあり、空室率は全般的に安定もしくは低下しはじめていること、また、多く主要市場では賃料の上昇が目立っていることなどを報告。例えば、欧州の2010年における新規賃貸借契約面積は1,060万平方メートルで、09年に比べ3割増加した。この増加率は過去10年の平均値を5%以上上回る水準。
特に賃料上昇が著しいのは、香港、シンガポール、上海といったアジア・パシフィック地域の主要都市で、優良物件の賃料は過去1年間に20%以上上昇した。
なお、11年に世界で最も賃料上昇が見込まれるのは香港の中環地区で、上昇率30%近くに達する可能性を指摘している。
オフィス空室率は世界主要3地域すべてがわずかに低下。全世界104市場の平均空室率は14.1%となった。世界で最も空室率が低いのは香港の中環地区の3.0%。メルボルン4.4%、ロンドンウェストエンド地区6.5%、パリの中心業務地区5.5%、トロントのダウンタウン地区6.6%など。サンパウロとリオデジャネイロでも空室率7%を下回った。