(独)国民生活センターは30日、有料老人ホームをめぐるトラブルが増加しているとして、当センターによ寄せられる相談の件数や内容などを公表した。
同センターでは、2006年に「有料老人ホームをめぐる消費者問題に関する調査研究」を実施し、その結果を取りまとめ、提言などを行なった。
しかし現在も相談が増加傾向にあり、また、10年12月には消費者委員会により「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議」がなされるなど、消費者の関心がますます高まっていることから、退去時や解約時の返金・精算に関する相談を中心にその情報を提供することとした。
有料老人ホームに関する相談件数を年度別にみると、05年度は255件であったが、年々増加し、09年度は447件、11年2月末時点では369件の相談が消費生活センターに寄せられている。
05~10年度の相談件数総数は2,049件で、契約当事者の年代別では80歳代(626件、約37%)が最も多く、次いで70歳代(453件、27%)となり、平均年齢は75歳となった。性別では女性が全体の約6割(1,170件)を占め、男性が約4割(790件)となった。
相談内容では、「契約・解約」に関するものが1,663件と、全体の8割以上を占めており、年度ごとの割合でもその傾向に変化はない。
具体的には退去時や解約時の返金や精算に関する相談が目立っており、そのなかでも入居一時金等の返還に関するものや、原状回復費用の精算に関するものが多く、相談事例として「入居10日後に退去したが返金されない」や「入居前にキャンセルしたが約束どおり返金されない」といったケースが寄せられている。
また、「価格・料金」に関する相談も多いという。
詳細および具体的な事例については同センターホームページを参照のこと。