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復興初年度の県民経済、建設部門は10年度比167%の見込み/矢野経済研究所調査

 (株)矢野経済研究所は4日、「東日本大震災における経済復興プロセスと主要産業に与える影響」と題したレポートを発表した。

 同調査は、被災エリアの復興プロセスと主要産業への影響を検討することを目的としたもので、阪神淡路大震災が兵庫県に与えた影響を指数化し、被災エリアの県民経済に適用している。調査期間は3月29日~31日。
 
 これによると、震災が各産業に与えるインパクトが阪神淡路大震災と同様であると仮定した場合、復興初年度の県民経済建設部門は2010年度比167%、金額ベースで同1兆3,370億円増が見込まれ、初年度から4年間における被災5県(青森、岩手、宮城、福島、茨城)の建設部門の県内総生産の総額は少なくとも12兆2,000億円を超える見込み。
 一方、卸・小売業は前年度比86%と、もっとも大きな影響が出るとしており、回復までの期間も長期化するとしている。  
 また、同調査は福島第1原発の影響を考慮していないこと、被災県の社会、経済、地理的条件や人口構造を含め、震災+津波という特殊な被災形態ということを鑑みると、東日本大震災の被害は阪神淡路大震災に比べ広域、甚大かつ長期に及ぶものと推察している。
 
 主要産業では、建設部門を中心に復興関連需要が見込まれるものの、原発問題の長期化もあいまって消費マインドの低下、電力供給不足、エネルギーコストの高騰、海外における日本製品に対する過剰な反応など、生産、流通、消費、サービスなど広範な産業分野に深く、長期的な影響を及ぼすとしている。

 詳細は同社ホームページを参照のこと。


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