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田原総一朗氏を招き、震災が住宅業界へ与える影響などを討論/日本エル・シー・エー

ジャーナリスト・田原総一朗氏(左)を招き、東日本大震災の影響などについて討論した

 経営コンサルティングなどを手がける(株)日本エル・シー・エーは15日、同社が組織する住宅・不動産関連企業79社からなるネットワーク「リンカーンクラブ」の交流会を都内で開催した。交流会は毎年2回開いており、4回目となる今回はジャーナリストの田原総一朗氏を招き、東日本大震災が住宅・不動産業界に与える影響などについて討論した。 

 冒頭、田原氏は「地震や津波の規模、地震発生から1ヵ月をすぎた現在も収束していない福島原子力発電所の事故は、いずれも世界に前例がなく、世界中がどう対応すべきかわからない状況だ」と言及。

 復興に当たっては、「阪神・淡路大震災と異なり、津波で失われた家屋や工場を元の土地に建て直すことはできない。住宅をどこに作り、どのように生活を支援していくのか、復興のための都市計画やビジョンが必要だ」などと住宅・不動産業の役割の重要性を指摘した。

 また、失われたインフラや住宅などの社会資本を整備するために政府が負担する復興費用が数十兆円規模になる可能性を紹介し、「莫大な復興需要によりお金が回るきっかけになり、決してマイナスではない」と持論を展開した。

 討論会には、ゲストパネリストとしてアート・クラフト・サイエンス(株)代表取締役会長・鎌田和彦氏が、パネリストとして同ネットワーク加盟社の(株)アイム・コラボレーション代表取締役・石橋雅則氏、(株)オレンジハウス代表取締役・中戸川 豊氏、グローバルハウス(株)代表取締役社長・森川 清氏、東日本建設(株)代表取締役社長・遠藤一平氏、丸良木材産業(株)代表取締役社長・髙森重年氏、(株)銘建代表取締役社長・青木隆行氏、ヤマト住建(株)代表取締役社長・西津昌廣氏が参加した。

 16年前に阪神・淡路大震災を経験したことのあるパネラーからは、「復興の経験やアイディアを伝えたい」といった意見が出たほか、住宅部資材不足が住宅業界に与える影響などについて心配する声が聞かれた。


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