不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

減収も、特損大幅減で純利益5倍に/三菱地所11年3月期決算

 三菱地所(株)は9日、2011年3月期決算を発表した。
 
 当期(10年4月1日~11年3月31日)の連結売上高は9,884億4,700万円(前年同期比▲2.5%)、営業利益は1,582億5,800万円(同6.2%増)、経常利益は1,308億3,000万円(同11.5%増)、当期純利益は642億1,900万円(同439.6%増)。前期に、特別損失として事業撤退に伴なうエクイティ出資評価損545億2,300万円、一部固定資産における減損損失343億900万円余を計上していたため、当期純利益は大幅増となった。なお、東日本大震災による特別損失は21億5,900万円。

 主力のビル事業は、09年度に竣工した「丸の内パークビル」の収益等が通期寄与したため建物収益は前期比プラスであったが、前期に「青山ビル」の持分を売却し収益計上したことから、その他収益は減収に。結果、営業収益は4,639億3,900万円(同▲5.3%)、営業利益は1,418億2,300万円(同▲5.3%)と減収減益となった。当期末の空室率(全国全用途)は3.58%だが、12年3月末には東日本大震災の影響を考慮し4.0%程度になると予想している。なお、丸の内エリアの当期末空室率は2.42%。

 住宅事業では、「MID OASIS TOWERS(ミッドオアシスタワーズ)」(相模原市緑区)や「パークハウス清澄白河タワー」(東京都江東区)、「麻布台パークハウス」(東京都港区)などの分譲マンションの売上計上があったが、マンションの販売戸数は6,148戸(前年度6,987戸)と減少したため、営業収益は3,365億9,500万円(同▲3.8%)と減収となった。ただし、前期にたな卸資産の評価損を営業原価に計上。営業損失が発生したことによる反動で、営業利益は117億8,300万円(同:営業損失357億3,000万円)と増益となった。

 決算内容について同社常務執行役員の加藤 譲氏は「東日本大震災による影響はあったものの、ビル事業においては、丸の内エリアのビルの緊急時の対応等が評価され底堅い需要を確保できた。住宅事業においてもゴールデンウィーク頃からモデルルーム来場者数も戻り始めている」などと語った。

 なお、次期については、連結売上高9,770億円、営業利益1,450億円、経常利益1,100億円、当期純利益550億円を見込んでいる。


最新刊のお知らせ

2025年5月号

「事故物件」、流通の課題は? ご購読はこちら