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大規模マンション開発のシンボルに。「旧東伏見邦英伯爵別邸」を公開/東京建物

一般公開された「旧東伏見邦英伯爵別邸」

 東京建物(株)は15日、東京急行電鉄(株)など5社共同で分譲マンション開発を進めている横浜プリンスホテル跡地(横浜市磯子区)にある「旧東伏見邦英伯爵別邸」を一般公開した。

 同建物は1937年建築されたもので、GHQ接収ののち西武鉄道が買収し、横浜プリンスホテルのゲストハウス・レストラン・宴会場などとして、2006年の同ホテル閉館まで使用されてきた。寺院の多重塔のような外観とは裏腹に、3階建ての内部はアールデコや、イスラム調の意匠が施された洋風の造りで、93年には横浜市の歴史的建造物に認定されている。

 その希少性から、横浜市へ譲渡を打診したが、維持管理コストを理由に断られたため、同開発のシンボルとしてリニューアルすることとした。本格的な造成工事が始まると公開が難しくなるほか、ホテル建物が取り壊された状態の現在が、建物完成当時の眺望が楽しめる最後のチャンスということから、近隣住民へ5年ぶりに一般公開することとしたもの。当日は、約5,000名が来場した。

 同建物はリニューアルを施した後、民間事業者に貸し出し、レストラン等として運営していく方針。開発スタート時から住宅事業第二部事業推進グループ担当課長として関わってきた牧口信夫氏(現:人事部詰担当課長)が、公開に先立ち挨拶。「このマンション開発では、“プリンス桜”として親しまれた桜の移植・保存を行なうなど、地域のみなさんとともに新しいまちづくりをしていく。この建物も、マンションのシンボルとして、地域のシンボルとして活用していきたい」などと抱負を語った。

 なお、同社等が進めているマンション開発は、総面積約10haに、全15棟・総戸数1,250戸を建設する。


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