不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

11年第1四半期の高度利用地の地価、震災の影響などで下落地区が増加/国交省地価LOOKレポート

 国土交通省土地・水資源局地価調査課は27日、「地価LOOKレポート」(2011年第1四半期)を発表した。

 同調査は、主要都市の高度利用地等の地区について四半期ごとに地価動向を把握することにより、先行的な地価動向を明らかにするもの。今回の対象地区は、東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方圏32地区の計150地区。

 当期(11年1月1日~4月1日)の全体の地価動向は、東日本大震災により直接的な影響を受け市場に空白期間が生じた4地区(仙台市3地区および浦安市1地区)を除いた146地区について調査。このうち、98地区(67%)が下落、48地区(33%)が上昇・横ばいとなり、前回に比べて下落地区が増加した。前回まで住宅系地区を中心に地価下落基調からの転換傾向を示していたが、今回は、東日本大震災の影響もあり全体として弱い動きとなっている。

 三大都市圏(117地区)では、上昇地区が前回の15地区から2地区(大阪圏)に。東京圏で6地区あった上昇地区がなくなり、横ばい地区が19地区(前回27地区)、下落地区が45地区(前回31地区)となり、下落地区が70%を占めた。
 地方圏(29地区)では、前回は1地区あった上昇地区が今回は0となった。

 用途別では、住宅系地区(40地区)のうち、上昇地区が2地区、横ばい地区が22地区となり、上昇・横ばい地区(24地区)が下落地区(16地区)を上回ったものの、上昇地区が前回の11地区と比べて減少し、下落地区が前回6地区より増加した。なお、今回上昇した住宅系2地区は、いずれも人気が高い兵庫県の住宅地エリア。
 商業系地区(106地区)においては、上昇地区が前回の5地区から0地区に、横ばい地区が前回の30地区から24地区に、下落地区が前回の71地区から82地区となり、下落地区が77%(前回67%)を占めた。消費の自粛、外国人客の減少等により店舗の売上げが減少した店舗系地区で地価の軟調な動きがみられた。

 詳細は、土地総合情報ライブラリー(http://tochi.mlit.go.jp/kakaku/chika-look)を参照のこと。


最新刊のお知らせ

2025年5月号

「事故物件」、流通の課題は? ご購読はこちら