(財)日本不動産研究所(JREI)は5月31日、「第24回不動産投資家調査」の結果を発表した。アセット・マネジャー、アレンジャー、開発業(ディベロッパー)など138社から回答を得たもの。調査時点は2011年4月1日。
Aクラスビルの利回りは、「東京都丸の内、大手町地区」の期待利回り4.5%、取引利回り4.2%と4期連続横ばい。「政令指定都市および地方中核都市」では、全体でほぼ横ばいだったものの仙台の期待利回りが0.3ポイントアップと、比較的大きく上昇した。賃貸住宅の期待利回りは、前回調査時に引き続き低下傾向にあったが、仙台においてはワンルーム、ファミリーともに利回りが上昇した。
不動産への新規投資意欲は、09年4月1日調査時を底に一貫して回復傾向にあったが、今回は78%と微減。東日本大震災が不動産投資市場に与える影響については、「新規投資意欲にネガティブな影響がある」との回答が62%に達し、不動産投資市場に様子見のムードが広がっていた。震災の影響が残る期間についても、1年程度が41%、2~3年程度が21%と比較的長期間の影響が見込まれている。
また、今後新たにリスクの検討を行なう余地のある自然災害としては、地盤の液状化現象(92%)、津波・高潮(55%)が上位に挙げられている。