三菱地所(株)は1日、2011~20年度を実施期間とするグループ中長期経営計画を策定した。
長期基本戦略(11~20年度)では、同グループの収益の柱でもある、丸の内事業、都市開発事業、住宅事業、海外事業からなる「投資開発事業」と、PM・リーシング、商業、投資マネジメントなどからなる「マネジメント・サービス事業」との連携を強化し、シナジー効果を発揮させることで、2020年までの営業利益倍増をめざす。
中期戦略(11~13年)における各事業領域毎の計画として、丸の内事業では、丸の内再構築を継続。12年1月には「丸の内1-4計画」、12年度には「大手町一丁目第2地区」の竣工のほか2~3棟の建替え計画を予定している。
都市開発事業では、ポートフォリオマネジメントの強化を行なうとともに、再開発・複合開発に積極的に参画する。都内では都心3区を中心に丸の内エリアと代替性のあるエリアを中心に投資していくとした。
住宅事業では、分譲マンション事業を中心とした事業を強化する。11年1月に誕生した同社グループの住宅分譲事業統合会社「三菱地所レジデンス(株)」の製販一体体制の強みを生かし、早期に巡航速度へ持っていき、13年度には営業利益260億円をめざす。
海外事業では、欧米ポートフォリオの拡大とアジア展開を推進する。3ヵ年で900億円の新規投資を行ない、13年度には営業利益150億円をめざす。
中期計数目標は、13年度連結営業利益1,850億円(2010年度実績1,582億円)、 EBITDA2,650億円以上をめざす。
同日会見した取締役社長の杉山博考氏は「中期計画の3ヵ年においては、全体で6,000億円強、当社の事業の柱である丸の内事業にその半数程度の投資を行なっていきたい」などと語った。また、東日本大震災による影響については「ビル事業、住宅事業ともにそれほど大きな影響はなく、湾岸エリアのマンションにおいてもマーケットは落ち着き回復してきている」としたうえで、「従来に増して、安心・安全のまちづくりを進めていきたい」と述べた。