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賃貸管理業の高度・複雑化による相談事例が増加傾向に/日管協

 (財)日本賃貸住宅管理協会は6日、同協会に寄せられた相談を取りまとめた「2008~11年度における相談状況と分析」を発表した。

 それによると、直近3ヵ年度の相談件数の総数は1,745件にのぼり、増加傾向にあると分析。近年の賃貸システムや契約形態の複雑化、リーマンショックによる景気悪化などが影響したとしている。

 相談種別については、「仲介&入居前」が386件と最も多く、以下「その他」(296件)、「管理業務」(207件)、「原状回復」(185件)、「入居中修繕」(178件)と続いた。さらに相談内容を細分類すると「仲介・入居前-契約内容」が188件で最も多く、次いで「入居中修繕-家主負担」(112件)、「管理業務-その他」(99件)となった。
 現行の類型のいずれにも属さない「その他」は、08年度の72件から09年度の112件、10年度の112件と増加傾向にあり、細分類すると「サブリース関連」(76件)、「相続関連」(59件)、「家賃債務保証関連」(41件)が上位を占め、賃貸住宅を取り巻く環境の変化に伴う相談事例が増加していることがわかった。

 説明にあたった日管協総合研究所研究員の長井和夫氏は、「修繕・原状回復に関する認識のズレにもとづくトラブル、ガイドラインの普及とそれに伴う解釈をめぐるトラブル、賃貸管理業の複雑・高度化に伴う相談事例などで顕著な増加傾向が見られる」などと解説した。

 トラブル未然防止のための対応としては、(1)契約書の工夫およびわかりやすい記載、(2)入居時の状況・退去時の現状確認などの完全実施、(3)適宜・迅速・こまめな対応、などをさらに進めていく必要があるとした。


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