シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)は16日、泉ガーデンギャラリー(東京都港区)にて、「不動産セミナー2011」を開催。不動産におけるオフィス、物流(インダストリアル)、リテールの各セクターのリーシングマーケットの動向と予測、大震災以後の市況変化について解説を行なった。
午前の部では、同社コンサルティング本部シニアディレクターの前澤威夫氏が、全国主要都市と東京23区のオフィスマーケットの動向と予測について、同社インダストリアル営業本部ディレクターの小林 麿氏が、回復期を迎えるインダストリアル・マーケットについて、同社リテールサービス部シニアディレクターの遠山芳博氏が、市況に応じ変化するリテールマーケットについて、それぞれ講演した。午後の部では、同社コンサルティング本部エグゼクティブディレクターのアンディー ハーファート氏が、「東北地方太平洋沖地震の不動産市場に与えた影響について」をテーマに被災地の損傷状況や、震災後の本社移転の反響、東京のオフィス投資市場への影響などについて解説。続く、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川口 有一郎氏が「復興政策と日本の不動産市場の復元力」について、同社アジアパシフィックのニック アックスフォード氏が海外投資市場動向について、講演した。
オフィスマーケットにおいては「10年度は、オフィスの需要は伸びており、震災前は空室率も下がる気配があったが、震災の影響で空室率のピークアウトや賃料調整時期が遅れている」(前澤氏)、物流施設のリーシングについては「震災後、6ヵ月以内の短期契約が増えたが、11年下期には再び空室が増える見込み」(小林氏)、リテールマーケットにおいては「主要商業地の賃料は底打ち感がある。リーマンショックより回復が早い」(遠山氏)などと話した。