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BCP(事業継続計画)策定、震災を経て大幅増加/森ビル調べ

 森ビル(株)は27日、「東日本大震災後のオフィスニーズとBCPに関する意識調査」結果を発表した。例年実施している「東京23区オフィスビルニーズに関する調査」の臨時版として実施したもの。4月下旬から5月中旬にかけて、本社が東京23区に立地する資本金上位3,400社を対象に行なった。回収数は1,101社(回収率30.9%)。

 新規賃借予定の有無については「有り」が21%(2010年11月調査23%)と、引き続き2割超の結果に。
 東日本大震災を景気に新規賃借の検討を開始した割合は4%で、震災を契機に中止した割合1%を大幅に上回った。
 業種別では、前回調査に引き続き「外資系」25%(同29%)「金融・保険業」24%(同26%)が上位を占めた。

 ビジネス拠点としての東京オフィスの重視度については、「変えない」が92%と圧倒的多数に。東京23区以外へのオフィス移転予定企業は、わずか1.7%という結果となった。さらに全面移転については0.4%に過ぎないことから、東京23区以外への移転は限定的であることがうかがえた。
 
 新規賃借予定の理由について、トップは「耐震性能の優れたビルに移りたい」の45%で、10年11月調査時の15%から大幅の増加となった。以下、「賃料の安いビルに移りたい」40%(同43%)、「立地の良いビルに移りたい」32%(同34%)、「業容・人員拡大」30%(同28%)と続いた。

 またBCP(企業の事業継続計画)の策定状況については、東日本大震災発生前に策定していた企業はわずか35%だったが、「今まで策定していなかったが今後策定する」が44%にのぼった。これにより結果策定割合が80%へと増加する見込みで、震災に伴う企業の事業継続性への関心の高まりが裏付けられる結果となった。

 BCPの内容については、トップは「従業員の安否確認方法」で89%(同89%)。続く「従業員の帰宅困難社対応方法」は10年11月調査では43%であったが、今回75%と急増。以下、「従業員への震災備蓄用品配布」70%(同67%)、「情報システムのバックアップ方法」63%(同65%)と続いた。


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