シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)はこのほど、全国の賃貸オフィスビル市場動向を調査した「オフィスマーケットレポートジャパンQ2 2011」を発表した。
東京23区における2011年6月期の空室率は、対前期比0.1ポイント低下の7.6%。1年前に7%台を示してから、ほぼ横ばいでの推移が続いている。東日本大震災後は移転計画を一時中断や延期にするテナントがあったが、今期は除々に移転計画を再開させる動きが見られ、テナントの流動性は震災前とほぼ同じに戻ったと分析。また、今期移転計画を再開させたテナントは、ビル選定の優先順位や基準が変化、耐震性能の優れたビルや自家発電装置を備えたビル、地盤の安定したエリアへの需要が高まっているとした。
東京主要5区における11年6月期の空室率は、対前期比0.1ポイント低下の7.5%となり、0.1ポイントずつと小幅ではあるが、2期連続での低下となった。
今期1,000坪以上のまとまった面積の空室が消化されたビルは、新築・築浅ビルや大型ビルが多く、緊急時のオーナー対応が優れていることや、今後の防災・節電対策などの訴求力が、東日本大震災前よりも高まり、成約に至るスピードが速まったとしている。一方で、旧耐震ビルについても、耐震補強などの対策が施されているビルについては、割安な賃料水準だが、一定の需要を獲得しているケースも見受けられたとしている。
そのほか全国の市場動向は同社ホームページを参照のこと。