三菱地所(株)は29日、2012年3月期第1四半期決算を発表した。
当期(11年4月1日~6月30日)の連結売上高は2,129億3,600万円(前年同期比12.7%増)、営業利益208億200万円(同▲23.2%)、経常利益138億5,800万円(同▲28.0%)、当期純利益44億5,800万円(同▲34.1%)となった。
前年同期においてエクイティ出資評価損13億8,500万円を特別損失として計上したのに対し、当期は固定資産売却益15億4,400万円を特別利益に計上。その結果、税金等調整前四半期純利益は154億200万円となり、減益となった。
また、当期より組織の一部改正によりセグメント区分を変更。「資産開発事業」に含まれていた投資マネジメント事業を「投資マネジメント事業」セグメントとして独立させ、「資産開発事業」セグメントの名称は「都市開発事業」セグメントに変更。また、「注文住宅事業」セグメントとして区分されていた事業を「住宅事業」セグメントに集約している。
主力のビル事業は、建物賃貸収益は前年同期並みで、営業収益1,073億2,200万円、営業利益294億8,400万円となった。6月末時点の三菱地所単体の空室率は4.76%、平均坪賃料は2万4,169円となった。
住宅事業は営業収益355億7,700万円、営業損失62億1,600万円と大幅な減収減益。当期は、マンションの計上戸数442戸(同▲47.8%)、営業収益195億6,500万円(同▲45.6%)といずれも半減。「MINASIA湘南ライフタウン」(神奈川県藤沢市)や「パークハウス一番町」(東京都千代田区)など4物件を計上したが、計上戸数が大幅に減少したため減収となった。
同日開催された記者説明会において同社広報部長の高野圭司氏は「ビル事業は震災の影響が懸念されていたが、空室率等は回復基調となっている。6月末時点の空室率は3月末時点と比較すると約1%上昇しているが、これは新ビルのアカウントの方に変更があったことと、6カヵ月前予告の解約が実現したため。これから埋め戻しを行なっていくが、期末の空室率は4.0%まで改善する見込み」などと語った。
通期は営業収益9,770億円、営業利益1,450億円、経常利益1,100億円、当期純利益550億円を見込んでいる。