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東日本大震災、会員の津波被害は650棟/日本ツーバイフォー建築協会

「現地調査をもとに、補修の方法や新築を設計する際の知見を得て、今後に役立てていきたい」と述べる日本ツーバイフォー建築協会専務理事・池田富士郎氏

 (社)日本ツーバイフォー建築協会は7月29日、「東日本大震災被害調査報告会」を開催した。これまで行なってきた地震被害調査活動による地震・津波被害の実状を紹介したもの。

 同協会は、被害の程度と、現行の技術基準による耐震性を把握するため、会員対象のアンケートを実施。調査は4月27日~7月28日にかけ行なわれ、有効回答数は29社、調査棟数は2万772棟。その結果、津波を除く被害は合計2万122棟で、そのうち全壊は地盤崩壊6棟、類焼他1棟。津波被害は合計650棟で、全壊は105棟だった。

 現地調査では、宮城県仙台市、名取市、東松島市、石巻市における住宅内外の被害状況を確認した。10年程前に開発された仙台市泉区エリアにおいては、基礎の脇に地盤の隙間ができたり、周辺の道路では段差が生じるなど、地盤変状に伴う被害が起きたことが報告された。

 報告会では、接合具の防錆処理や部材交換等、建物の補修方法の事例も紹介された。振動被害および地盤変状に関する新築時の対策については、軟弱地盤での地盤改良や杭打ちなどの対策を適切に行なうこと、津波については、その大きさの予測、住民の避難計画が適切に行なわれることが、あらゆる対策の前提とし、津波の外力や浸水を前提とした設計法などが今後の課題とした。

 日本ツーバイフォー建築協会専務理事・池田富士郎氏は、冒頭の挨拶で「現地調査をもとに、ツーバイフォー住宅の被害の程度を把握し、補修の方法や新築を設計する際の知見を得て、今後の設計等に役立てていきたい」などと述べた。


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