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地中熱エアコンを導入したモデルハウス完成。関東初/フィアスホーム

「光熱費ゼロ」住宅のモデルハウス外観
掘削孔。深さは約100mで、中にUチューブを通し、その中を不凍液が循環している
室外機。手前2つは地中熱エアコンのもので、一番奥は通常の空気熱利用のエアコンのもの
地中熱エアコンの室内機。なお室内機は空気熱エアコンのものと同種とのこと

 (株)LIXIL住宅研究所 フィアスホームカンパニーは、同社が提案する「地中熱利用+太陽光発電」により『光熱費ゼロ』をめざす住まいのモデルハウスを千葉市内に完成させ、6日の一般公開に先立ち、4日、マスコミに公表した。

 今回公開したモデルハウスは、フィアスホーム千葉中央店((株)ウッディホーム、社長:細木正盛氏)が完成させたもので、建物に高い断熱性能を持たせた形でリフォームを実施し、さらに地中熱エアコンと太陽光発電システムを合わせて導入している。
 地中熱エアコンを設置したモデルハウスの完成は、関東では初となる。

 地中熱エアコンとは、一年を通してほぼ一定(15度前後)の温度を保つ地中熱を活用したエアコンのこと。地中熱により夏は熱を冷まし、冬は熱を室内に送ることで、エアコンの効率を上げ、電気代を圧縮するという仕組み。

 モデルハウス(木造軸組工法、床面積193.84平方メートル)では、基礎部分の断熱にプラスして、断熱材一体型のパネルを屋根(厚さ130mm)、小屋(120mm)、壁(65mm)に用いることで、次世代省エネルギー基準を上回る断熱性能を確保。
 その上で太陽光パネル3.7kWを搭載し、さらに地中熱採熱孔から100mの深さまで掘削、中にUチューブを通し、Uチューブ内に不凍液を循環させて地中熱を採熱、エアコンに活用している。

 なおモデルハウスでは、地中熱エアコンを1フロアに1台ずつ設置し、さらに比較のために通常のエアコンも1台設置している。

 地中熱エアコンは排熱用のファンがないため騒音問題が発生せず、また冷房時の排熱もないことから、ヒートアイランド現象の抑制にも繋がるという。

 同社プレジデントの条生秀人氏は、「今話題の再生可能エネルギーの活用を研究していく中での商品化第一弾。暖房インフラ・ランニングに非常にコストがかかる寒冷地での反響が非常によく、すでに山形では引渡しも行なっている。温暖なエリアでは、投資回収効率が厳しい面もあるが、換気用問題やエネルギー問題への意識が高い層への訴求を図ることで、このシステムを普及させていきたい」と語った。

 なお同モデルハウスでは体験宿泊も実施する。申し込み、その他詳細はフィアスホーム千葉中央店(千葉市稲毛区長沼原街719-2、TEL:043-215-4106)まで。


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