国土交通省の社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会は、「既設エレベーターの安全性確保に向けて」と題した報告書をとりまとめ、発表した。
2006年に発生したシティハイツ竹芝エレベーター事故を受け、建築基準法施行例が改正され、駆動装置または制御器が故障し、戸が開いたままカゴが動いた場合であっても、人が挟まれないようカゴを自動的に制止させる「戸開走行保護装置」の設置が義務付けられた。
しかし、約70万台あるといわれる既設エレベーターについては、義務付けがなされていないことから、戸開走行保護装置の設置が進んでいないと指摘。
一般的に高い費用が必要になることや、改修に1~2週間の工期が必要となること、所有者の多くが現在エレベーターが問題なく動いていることから戸開走行保護装置の設置の必要性を感じていないことなどを、普及の阻害要因として挙げた。
そして、既設エレベーターの安全性確保に向けて講じるべき措置として、戸開走行保護装置に係る大臣認定制度の合理化や、既設危機を活用した戸開走行保護装置の後付けの円滑化、戸開走行保護装置の設置に係る新たなマーク表示による既存不適格事項解消に向けた推進、マンション長期修繕計画等への盛り込みなどを挙げている。
詳細については、同省ホームページを参照のこと。