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免震効果により「地震力が3分の1に低減」と実証/スターツCAM調査

 スターツCAM(株)はこのほど、免震構造の地震に対する有用性の調査結果を発表。併せて、同社が建築した免震マンションに居住する150名に対するアンケート調査(期間:2011年3月24日~4月2日)の結果も発表した。

 同社では、これまで建築した122棟の免震構造の共同住宅のうち、89棟に大地震が起こった際に建物の動きを記録するための「けがき板」を、7棟に「地震計」を設置している。
 東日本大震災において震度階級5弱を記録した調査建物のある東京都江戸川区一之江では、地表面で計測された地震動は加速度が最大156galあったが、免震層上部(1階床)では地震動の加速度は71galとなり、免震効果により、地震力が半減していることがわかった。
 さらに直線距離350メートル離れた場所にある耐震構造と免震構造の建物で地震力を比較した際、耐震構造の地上8階床部分では221galの地震力が発生したのに対し、免震構造の地上5階床部分では85galと、地震力は3分の1に低減。これにより、一般的に建築構造部は上層階に向かうほどに地震の影響を受け地震の力が増幅するが、免震構造の場合は、上層部に向かっても地震力の増幅を小さく抑えることができたことを確認した。
 なお、同調査の結果は(社)日本免震構造協会(会報誌「MENSHIN」73号)で発表する予定。

 一方、入居者アンケートでは、地震に対する恐怖感を問う質問に関して、一般の建物にいた場合「非常に恐怖に感じた」人は5割を超えるのに対して、免震構造にいた人は3割台にとどまるなどの結果となった。

 その他調査結果詳細は、同社ホームぺージ(http://www.starts.co.jp/docs/pdf_w/193.pdf)を参照。


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