ジョーンズ ラング ラサールは、「グローバル・キャピタル・フロー」と題したレポートを発表した。
2011年第2四半期においては、クロスボーダー取引(国外不動産の取引)が50%増加し、世界の商業用不動産への直接投資額1,035億米ドルの実に半分を占めた。また通年の取引額については、景気がさらに著しく悪化することがない限りは4,400億米ドルに達すると予想している。
なお、第2四半期のクロスボーダー投資の総額は380億米ドル(第1四半期比66%増)。シンガポール資本が中国で複数の大型物件を取得するなど海外投資を倍増させたことや、グローバルファンドによる投資急増が牽引役となった。シンガポールは、ポートフォリオ取引を除く取引額ランキングでも、ニューヨーク、ロンドン、トロント、香港に続き、5位にランキングしている。
他の主要クロスボーダー投資家(アメリカ、ドイツ、カナダ、イギリス)による取得額は、おおむね横ばいで推移した。
同社のインターナショナル・キャピタル・グループ統括のアーサー・デ・ハースト氏は、「今年前半は、企業は国内に投資、プライベートエクイティや非上場ファンドは国外に投資する傾向が見られた。クロスボーダー投資に関しては経験豊富なファンドマネージャーに頼っており、不透明な経済期環境が続いた場合、下半期についてもこのトレンドが続くだろう」とコメントしている。