(社)不動産証券化協会(ARES)と(株)東京証券取引所は5日、「Jリート(不動産投資信託)10周年記念シンポジウム 日本経済再生~Jリートが開く未来~」を開催した。
シンポジウムでは、まず、不動産証券化協会会長の岩沙弘道氏が基調講演。同氏は「10年の間に、JREITは幾多の試練があったが、市場関係者が力を合わせて対処するとともに、政府・日銀による迅速な対応もあり、再生・建て直しへの新しい道筋を見い出し、今日まで成長してきた」と振り返った。そして、JREITが今後取り組むべき課題について「運用資産の多用性、CREMの啓発・支援、公共との協働」などを挙げ、さらなる発展を遂げていきたいと述べた。
続いて、東京証券取引所代表取締役社長の斉藤 惇氏が講演。今後のJREIT市場について「100兆円以上の収益不動産が、JREITの潜在的投資対象であり、今後拡大する余地は大いにある」と述べ、市場規模拡大のために「英文投資情報提供サービス『J-REIT Flash』の開設や東証価格指数の試験配信などの市場振興策を積極的に進めていきたい」などと語った。
シンポジウムではこのほか、東京大学大学院経済学研究科教授の伊藤元重氏による基調報告、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の川口有一郎氏をモデレーターに、明治大学公共政策大学院教授の青山 佾氏らによるパネルディスカッションなどが行なわれた。