(株)富士経済は12日、住宅リフォーム市場の現状と今後の需要予測調査を発表した。戸建住宅および集合住宅のリフォーム市場を、業態別、部材別、エリア別の3つの切り口から俯瞰・分析。また、東日本大震災がリフォーム市場に与えた影響やエネルギー関連設備の動向を分析し、今後の需要を予測した。
11年度の全体市場は、前年度を3.6%上回った10年度から1.7%増の7兆6,143億円にとどまると予測。11年3月の東日本大震災後の電力需給問題から、消費者がよりエネルギーや省エネについて意識するようになり、リフォーム市場は創エネ、省エネ機器を中心に成長。14年度には、10年度比7.7%増の8兆600億円市場となると予想する。
主要コンセプト別の市場予測では、住宅用太陽光発電システム、コジェネレーションシステム、家庭用燃料電池のいわゆる「創エネ」リフォーム市場(10年度:2,649億円)は、補助金や余剰電力買い取り制度で市場が急拡大。震災後、家電量販店やハウスメーカー系事業者などが本格的に拡販に乗り出しており、11年度は前年度比42.5%増の3,774億円、14年度には10年度の約2.5倍となる6,575億円まで拡大すると予測した。
オール電化リフォーム(同:2,771億円)は、火を使わないIHクッキングヒーターの安全性などが評価され市場は拡大してきたが、節電要請やヒートポンプ式給湯器への補助金終了などの逆風で、11年度は2,757億円(10年度比▲0.5%)、14年度も3,041億円(同9.7%増)にとどまる見込み。
耐震リフォーム(10年度:3,980億円)は、震災の発生でユーザーの耐震リフォームや耐震診断への意識が高まることから11年度は4,280億円(10年度比7.5%増)と拡大するが、震災による急増傾向は13年度頃から通常に戻り、14年度は4,100億円(同3.0%増)に終息すると予測している。