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11年のリフォーム市場、上半期不調で5.2兆~5.6兆円と予測/矢野経済研究所調査

 (株)矢野経済研究所は、2011年4~6月(11年第2四半期)の住宅リフォーム市場に関する調査結果を発表した。同社専門研究員が市場規模を算出、合わせて文献調査を行なったもの。

 11年第2四半期の住宅リフォーム市場規模は、推計値で1兆4,626億円(前年同期比▲12.3%)、また、11年上半期(1~6月)の市場規模は、2兆5,143億円(同▲12.6%)といずれも2000年以降で最も低かった。調査当時は東日本大震災から3ヵ月以上が経過していたが、被災地の復興が遅れていたこと、加えて急激な円高や世界的な株安、景気後退を思わせるような指標の数々など、短期的ではあるが厳しい状況にあったことなどが影響していると分析した。

 同結果を踏まえ同社は、11年の住宅リフォーム市場規模予測を、6月に発表していた5.7兆~6.0兆円から5.2兆~5.6兆円へ下方修正している。
 リフォームに対するユーザーの関心は高くなっている傾向があるが、原子力発電所の事故を受けて、全国的に今年の夏は「節電」が一つのキーワードとなり、消費トレンドとしても財布の紐が固く絞られていた感がある。太陽光発電システムや一部には家庭用の蓄電システムなどを導入する動きも現実化しつつあるものの、話題先行といった一面もあり、実需要には太陽光発電システム以外は今ひとつなことに加え、経済の回復スピードも当初考えていたより若干遅いため、住宅リフォームへの需要の回復も遅くなっていると分析した。

 今後の見通しとしては、厳しい状況が続くものの、震災前までの企業の生産状況などが完全に回復するのが秋以降と見られることから、今年末~来年にかけて本格的な回復に向かうものと予測している。


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