シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)は13日、2011年第3四半期の全国13都市の賃貸オフィスビル市場動向を発表した。四半期ごとに調査しているもの。今回から、データ算出の対象となるオフィスビルを、これまでの原則全物件から延床面積500坪以上の中大型物件へ変更した。
東京グレードAの平均想定成約賃料は1坪当たり2万9,400円(前回調査比▲0.3%)と、下げ幅が縮小した。東京23区全体の空室率は、11年に入ってから低下基調で推移しており、主要5区は7.0%(同▲0.1ポイント)まで改善した。都心部では、まとまった面積を確保できる築浅のハイグレードな物件を中心に需要を吸引。周辺部でも、業務効率化とコストメリットが大きい物件については移転先の選択肢として検討されるケースも出てきている。
12年以降については、賃料は、企業業績の後退懸念と2012年の大量供給により、来年前半までは弱含みで推移するが、年後半より回復基調になると見込んでいる。
一方、他エリアについては、大阪市の空室率は対前期比0.1ポイント上昇したが、テナントの借り換え移転の動きは活発化。名古屋市の空室率は5期連続で緩やかな低下が続いている。仙台市は、東日本大震災直前データに基づく11年第1四半期の空室率18.8%から当期は12.5%まで改善したものの、震災による緊急的移転は落ち着き、従前入居ビルでの空室顕在化が進むにつれて空室率が上昇に転じるのは確実とみられている。