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「エコアクション21」活動成果。戸当たりCO2排出量、90年比16.6%削減/プレハブ建築協会

 (社)プレハブ建築協会は24日、2001年度~10年度を計画期間とする環境行動計画「エコアクション21」の活動成果等を発表した。

 住宅の生産・供給にかかわる総合的な省エネルギー化(CO2削減)については、10年度に供給した戸建住宅の生産・居住段階における戸当たりのCO2排出量は、全量の9割以上を占める居住段階の省エネルギーが飛躍的に進んだことにより、1990年比16.6%の削減となり、10年度目標の15%削減を達成した。なお、住宅の仕様改善により、01年~10年までの10年間の累積では、CO2排出量を458万t削減したことになる(132.6万戸が1年間に排出するCO2量)。
 また、住宅の生産・供給・解体にかかわる廃棄物の排出量削減と適正処理の推進については、10年度の供給床面積当たりの廃棄物発生量は01年比3.4%削減にとどまり、目標の30%削減を大幅に下回った。01年度からの10年間に、工業化住宅の省エネ性能や耐久性能の大幅な向上のため、取り扱う設備機器や建築部材数が増加したことが、廃棄物の削減率を押し下げる要因となった。

 10年度のその他の実績については、戸建住宅の太陽光発電システムの設置は全体の51.5%、高効率給湯器の設置は70.6%に到達したことがわかった。また、生産段階の供給床面積当たりのCO2排出量は06年比4%削減した。

 同協会では、「エコアクション21」の活動実績をふまえ、持続可能な社会をめざした取組みを推進すべく新たに「エコアクション2020(11~20年)」を策定。環境行動目標は、(1)低炭素社会の構築をめざして、住宅のライフサイクルを通じたカーボンニュートラルの推進、(2)循環型社会の構築をめざして、住宅のライフサイクルを通じた廃棄物の3Rを推進、(3)自然共生社会の構築をめざして、地域規模から地球規模までの生態系や生物多様性の保全への配慮、(4)人体や環境へ影響を与える可能性のある科学物質の使用量および排出、(5)住宅を通じた良好な地域環境とまちなみを創出、となっている。具体的施策と20年度達成目標については12年5月制定に向け、検討を進めていく。

 会見で(社)プレハブ建築協会住宅部会環境分科会代表幹事・玉田眞人氏は「東日本大震災によって、エネルギーについて関心が高まっている。新規供給戸建住宅や既存住宅の居住段階における、CO2排出量を削減し、住宅のライフサイクルを通じたカーボンニュートラルを推進していく」などと述べた。


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