三幸エステート(株)は9日、大規模オフィスビル(基準階貸室面積200坪以上)のマーケットデータをまとめた「オフィスマーケット2011年11月号」を発表した。
当期の東京都心5区のビル空室率は5.72%と、4ヵ月ぶりの上昇となった。現空床を抱えて竣工したビルが複数あったのに加え、立地条件、設備仕様等で競争力の劣るビルの空室が目立ち始めたのが要因。現空面積も27万7,120坪(前月比9,025坪増)と上昇、募集賃料は築年数経過ビルの需要低下により坪当たり2万624円(同▲161円)と、3ヵ月ぶりに低下した。
全国の6大都市別の空室率は、東京23区6.5%(同0.2ポイント増)、札幌市7.5%(同▲0.3ポイント)、仙台市14.7%(同▲0.2ポイント)、名古屋市9.6%(同▲0.3ポイント)、大阪市10.5%(同▲0.1ポイント)、福岡市10.6%(同▲0.1ポイント)と、東京23区以外は低下傾向となった。
なお同社は、12年は都心5区の大規模ビル供給がさらに増加するとし、「築浅ビルに対する需要は底堅いが、増加する新築ビルへのテナント移転はオフィス効率の向上で使用面積を減少させる場合が多く、二次空室の発生に拍車をかける。新築ビルの供給増加は、一部の既存ビルにとっては脅威となる」と分析している。