(財)日本賃貸住宅管理協会は24日、2011年上期(11年4~9月)の賃貸住宅景況感調査「日管協短観」を発表した。入居率や来客数、成約件数、滞納率など全15項目につき半年ごとに同協会会員へアンケート、業況判断指数(DI値)としてまとめているもの。今回は、213社から回答を得た。
同協会会員が委託管理(集金管理を含む)している賃貸住宅の入居率は90.6%(前回調査90.5%)、サブリース物件は94.8%(同94.9%)とほぼ横ばい。滞納率は、月初では7.2%(同8.1%)とやや低下したものの、月末での1ヵ月滞納は3.0%(同2.9%)、2ヵ月滞納は1.6%(同1.7%)と、全国的にはほぼ横ばいで推移した。
反響数DIは、「直接来店」が14.9(同3.5)と大きく増加。来客数DIは「一般単身」が10.2(同4.0)、「一般ファミリー」が9.7(同0.5)、「高齢者」が13.7(同2.6)と増加。成約件数DIも、賃貸が16.6(同10.4)と回復した。一方、成約賃料DIは大幅に悪化しており、1R~1DKが▲25.0(同▲3.2)、1LDK~2DKが▲11.5(同▲2.4)、2LDK以上が▲18.9(同▲6.3)と、特に1R~1DKでの減少が顕著に見られた。同協会では、「新築物件の仕入れ不足と、入居促進のための賃料引き下げが進んでいることが要因」としている。
礼金や敷金といった一時金の動向では、礼金が0.80ヵ月(同1.17ヵ月)、敷金(保証金)が1.35ヵ月(同1.46ヵ月)とともに減少傾向。礼金の取得月数は、関西圏が前年同期水準まで戻ったものの、首都圏やその他の地域では大きく減少した。
また今回は、東日本大震災の影響についても分析。震災マニュアル等の作成については、首都圏で「既に作成済」「作成の予定がある」が46.0%と顕著な傾向が見られた。賃貸住宅への原発事故による風評被害(原発事故に起因する外国人入居者の帰国や、日本人入居者の引っ越し、入居予定者の入居キャンセル等)に関しては、75.4%が「変わらない」と答え、全体的には様子見の姿勢が多かった。