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資産デフレ解消は「実体」「金融」「政策」の視点で/不動協が報告

 (社)不動産協会は11月30日、「資産デフレに関する研究会」の報告書を公表した。

 同協会では、地価の低迷や下落が経済に及ぼす悪影響と、そこから脱却するための方策などについて考察するため同研究会を設置。有識者を講師として招き、講演をベースとした意見交換方式で検討委員会を3回実施し、その成果を報告書として取りまとめたもの。

 報告書では、かつて日本が経験した資産価格の下落によるデフレスパイラルや、欧米でもサブプライム危機により資産価格が実態経済に与える影響が無視できない状況になっていることから、「資産価格の重要性を改めて認識し、土地資産価格上昇に何が必要かを検討する時期に来ている」と指摘。資産デフレを脱却するために、「実体面」「金融面」「政策面」から取り組む必要があるとした。

 「実体面」については、生産性の高い地域の開発を重点的に行なうこと、土地の上物について新たな組み合わせを創造し、それらの相乗効果で不動産価値を高めること、民間からの官民連携のプランの提案の重要性などを挙げた。

 また、不動産価値上昇のため、将来に対する「期待」を上向きにするため、特に「金融面」での取り組みが重要であるとし、「不動産と金融をつなぐツールとして証券化が有効な手段である」などと提案した。

 「政策面」では、経済成長に資産価格上昇が不可欠であり、日銀による量的緩和・信用緩和も土地資産価格に一定の効果があったことを踏まえ、「不動産に対する税負担を軽減するなど、税制の見直しも効果的な方策」と提言している。


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