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既存マンションストックの再生へ、改修技術などの問題点を整理/国交省が勉強会

 国土交通省は6日、「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会」(座長:村上周三(独)建築研究所理事長)の初会合を開催した。

 全住宅の約4割・2,000万戸を占める共同住宅ストック(マンション)を、重要な社会資産として戦略的に維持管理していくために、その持つべき性能や実現のための改修等の技術・制度を総合的に検討するのが、勉強会の目的。学識経験者10名が参加し、「耐久性・耐用性」「環境・省エネルギー性」「耐震性」「防災性」「高齢者対応」の5つの観点から、次代に必要な性能を維持していくための改修技術や再生方針などを検証していく。

 初会合では、マンションストックの現状と再生の課題について、5つの観点に分け問題点を洗い出した。
 耐久性では、建築時期によってコンクリート強度が違うため、補強改修技術も異なってくる点が指摘された。防災面では、東日本大震災で見られたエレベータを始めとするライフラインを維持するためのインフラ整備と維持管理体制、耐震性では共同住宅の2割が旧耐震設計であるなかでも、耐震診断や耐震補強が進んでいない現状を確認した。

 勉強会では今後、こうした課題を解決するための調査・診断・修繕・改修に関して、5つの観点ごとに改修技術総覧の作成、効果、改修時間とコスト、技術的限界などをとりまとめていく。また、改修にあたっては、1戸ごと、箇所ごとの改修ではなく、改修の一体的実施、団地再生の視点で検討していく。

 7月までに5回の勉強会を実施、とりまとめを発表する予定。


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