三井不動産(株)は7日、横浜市西区のみなとみらい21地区・67街区において開発を進めてきた「横浜三井ビルディング」を、2月下旬竣工すると発表した。
「横浜から世界へ」をコンセプトに開発したオフィス、店舗、文化交流施設等からなる、地上30階地下2階建ての複合ビル。5階から30階までが賃貸オフィス、1階は店舗、2階は文化交流施設として「原鉄道模型博物館」が今年夏にオープン予定。
建物は、外観に横浜・みなとみらい地区の玄関口ともいえる立地を考慮し、風を受け未来へ向かう「帆船」をイメージしたデザインを採用。基準貸室は、約560坪の整形無柱の空間に仕上げた。共用廊下はゆとりをもった2,000mm、女性用トイレは各階東西2ヵ所に設置し、建物全体をバリアフリー設計としている。
そのほか、鋼板壁や制振装置の採用に加え、地震発生後速やかに建物の安全性を確認できる「被災度判定システム」を導入。72時間対応の非常用発電機の採用や、来館者対応も考慮した備蓄品等の設置など、災害時におけるライフライン確保や事業継続をハード・ソフトの両面で支援する。
環境対策においては、建築物の環境品質・性能を総合的に評価するシステム「CASBEE横浜」にて最高位のSランクを取得。また、経済産業省が選定した次世代エネルギー・社会システム実証事業「横浜スマートシティプロジェクト」に参画し、国内で初めてオフィスビルにおける電力需給の調整「デマンドレスポンス」に関する実証事業を2012年秋から14年度まで実施する予定。
テナントは、オフィスに、(株)日立製作所のグループ会社、富士通ネットワークソリューションズ(株)の本社などが入居するほか、15階には新産業創生施設として、デフタ・パートナーズによる「横浜グローバル・ステーション(仮称)」、横浜国立大学による「未来情報通信医療社会基盤センター(MICT)」が開設予定。店舗については、来街者やオフィスワーカーが楽しめるカフェ・和食等の飲食店舗やコンビニエンスストア、横浜市のインフォメーションセンター等多彩な施設が入居する予定。