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柏市・柏の葉キャンパス、「スマートシティ」「健康長寿」などまちづくりの方向を説明

「これからスマートシティをはじめとした取り組みを実現するために必要な規制緩和・税制優遇策について、国等と協議していく」と語る、柏の葉アーバンデザインセンター・センター長の出口 敦東京大学教授

 柏市、柏の葉アーバンデザインセンター、三井不動産(株)は、千葉県柏市の柏の葉キャンパスを中心とする柏市全域が2011年12月に政府の「総合特区(地域活性化総合特別区域)」と「環境未来都市」に指定されたのを受け、両制度の提案内容の説明を行なった。

 柏市は人口約40万人の首都圏中核都市。柏の葉キャンパスエリアは約273haの土地区画整理事業エリアで、計画人口は2万6,000人。

 当該まちづくりに際しては、3つのコンセプトを用意。「環境共生都市」では、エリア・エネルギー管理システム(AEMS)を整備し、地域エネルギーを一元管理し効率的に利用すると共に、災害時にはライフライン(避難所、高層エレベーター等)に優先供給する取り組みや、「ITS情報センター」を設立し、日々の交通状況を可視化し、複雑な交通予測シミュレーションを実現することで、交通インフラの有効活用・エコにつなげる取り組みなどを盛り込んでいる。
 「健康長寿都市」では、元気高齢者の社会参加につなげるコミュニティの構築や、地域の医療機関と連携し、高齢者の疾病・介護予防サービスや口腔ケア、栄養指導等の提供などさまざまな医療関連サービスを提供する「トータルヘルスケアステーション」の創設を掲げた。
 「新産業創造都市」では、資金支援のみならず販路開拓やパートナ獲得などの経営全般サポート体制や、大学・研究機関初のベンチャーへの総合支援体制を整備する体制整備などを明記している。

 これらの実現に必要な規制緩和策、税制優遇策などを国と協議するための協議会を先般設立、これから協議を進めていく予定だという。

 なお、14年春に完成予定の148街区(賃貸住宅120戸、ホテル200室、ホール、オフィス、商業施設)では、災害・停電時でも3日間のライフライン(水〈地下水ポンプ〉、高層エレベーター、非常用照明)を確保。ここでは停電時も約6割分の電力継続供給する予定で、停電+ガス供給遮断時でも、3日間は電力供給を維持できるという。


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