東京建物不動産販売(株)代表取締役社長の倉重喜芳氏は21日専門紙記者と会見し、2012年12月期~14年12月期を計画期間とする中期経営計画などについて抱負を述べた。
同計画では、東京建物グループの顧客最前線企業として幅広いサービスをカバーする「付加価値の高いサービス提供とバリューチェーンの構築」とした。「新設したソリューション営業本部でワンストップでニーズを捉え、当社が窓口となりグループ会社のコーディネート機能を担っていく」(倉重氏)。
主力の仲介事業では、芙蓉グループを中心としたCRE戦略を強化していくほか、東京建物既分譲マンションの仲介シェアを上げるなど、顧客を囲い込んでいく。「個人仲介は、首都圏を中心に約1万2,000戸のストックがあるブリリアマンションユーザーや1,800名のサポーターズクラブ会員などターゲットを囲い込み、店舗を増やさず収益を上げていく」(同氏)。
アセットソリューション事業では、資産の入れ替えによる安定的な収益を確保しながら、レジデンシャルを中心とした10億~20億円規模の大型投資を実施していく。「あくまで資産規模200億円をアッパーとしながらの短期回転型ビジネスにとどめる」(同氏)。
賃貸事業は、社宅管理代行サービスの受託強化、高齢者向け賃貸住宅ノウハウの蓄積と新規受注獲得強化、マンション管理サービスの品質向上などにより、積極的に事業規模拡大を行なう。「社宅管理代行は、今後も年間5,000戸ペースで増やす。法人とつながることで、工場のスクラップ&ビルドや社宅処分、従業員の住宅購入ニーズ、オーナーの有効活用提案など波及効果も大きい」(同氏)。
目標は、14年12月期連結売上高280億円(11年12月期比14.6%増)、営業利益28億円(同25.0%増)、経常利益25億円(同32.3%増)、当期純利益14億円(同6.0%増)。「非常に堅めの数字。唯一数字が読めないのがCRE部門で、ここが伸びれば上方修正もあり得る。スタートの1年で足元を固め、飛躍に向かいたい」(同氏)。