不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

東京・経堂に環境配慮型の大規模賃貸マンションを竣工/中央不動産ほか

「アビエンテ経堂」外観
エントランスの電光掲示板。その日の太陽光発電量のほか、周辺施設情報や管理会社からのお知らせなども掲載していく
同物件中庭。手前はかまどベンチ。各廊下にはエコキュートの室外機を設置し、冷排熱を中庭にため、建物間を通風させる仕組みに(室外機は写真中央)
屋上菜園(18区画)。月額3

 中央不動産(株)、清水建設(株)、東急リバブル(株)、(株)リビタらは23日、環境配慮型賃貸マンション「アビエンテ経堂」(東京都世田谷区、総戸数142戸)の竣工に伴い、報道陣に公開した。

 同物件は、小田急線「千歳船橋」駅徒歩8分に位置する、鉄筋コンクリート造地上9階建ての大規模賃貸マンション。事業主の中央不動産に加え、仲介・管理運営を東急リバブル、設計・施工を清水建設が担当したほか、環境総合アドバイザーとして、リノベーション事業を展開するリビタなどが参画している。

 同地は某銀行の1966年築の社員寮があった場所で、同物件の老朽化に伴い、2010年オーナーの中央不動産に返却されていた。同社は、有効活用策について東急リバブル、清水建設らに相談し、環境と子育てをキーワードにした賃貸マンションを新築することにしたもの。

 中央不動産開発事業第二部部長の神戸 治氏は「開発に当たって何か特色が必要と、1,400坪の敷地を活かした環境配慮への取り組みを多く採用した。また、世田谷区は待機児童が多いことから保育園を併設するなど子育て支援にも力を入れた。建設中の震災を受け、一層防犯面を強化している」などと述べた。

 環境対策では、屋上の7割を太陽パネル(出力電力53kW)を設置。33戸(1LDK)を個別供給住戸とした(1戸当たり約1.5kW)。なお、賃貸住宅での太陽発電による個別電力供給を評価され、国土交通省の「平成22年度 住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されている。

 また、エコキュートの室外機を中庭に面して設置し、冷排熱を中庭にため、建物間に通風させる設計を採用。そのほか、屋上菜園、外壁のグリーンウォールや、エントランスなどに太陽光発電量などがわかる電光掲示板、地熱を利用したエネルギーシステムの設置などを行なっている。HEMSを取り入れることにより、入居者が各家庭の消費電力などを確認できる。これらの取り組みにより、同規模の一般的なマンションと比べCO2排出量を約42%削減できると見込んでいる。

 子育て支援として、保育園を併設。定員60人の40%は入居者が優先的に預け入れができる。月極保育はもちろん、一時保育では1時間から10分単位で預けることが可能なほか、ベビーシッターサービスも提供する。防災面では、非常用蓄電池、非常用マンホールトイレ、かまどベンチなどを採用した。

 間取りは1LDK~4LDK、専有面積42.79~95.74平方メートル。賃料は13万1,000~31万3,000円(管理費7,000~1万7,000円)。2月19日時点の入居申込状況は85件(全体の60.2%)。入居開始日は2月25日。


最新刊のお知らせ

2025年6月号

本業に意外な効果!?不動産事業者のサイドビジネス ご購読はこちら