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鉄筋コンクリート戸建、東日本大震災でも強さを実証/大成建設ハウジング調査

 大成建設ハウジング(株)は29日、東日本大震災被災エリアにおける、同社鉄筋コンクリート住宅「パルコン」の実地調査結果を発表した。

 同社は、高層ビル建築の技術を戸建住宅に応用した鉄筋コンクリート壁式構造の「パルコン」を、1969年に発売。40年余りに渡って鉄筋コンクリート住宅の普及に努め、災害での全半壊ゼロという実績を持つ。

 東日本大震災の東北6県の被災エリアにおける実地調査は、震度5強以上となった1,236件の顧客への安否確認と同時に実施した。被害状況は、レベル0(異常なし)が981件(79.3%)で最も多く、次いで、レベル1(居住に異常なし、調査是非を要望)が148件(12.0%)、レベル2(塀の傾き、クラックなど居住に支障)が92件(7.5%)、レベル3(躯体の傾きなど居住に大きな支障)が10件(0.8%)、レベル4(居住できなくなっている状態)が5件(0.4%)で、9割以上が居住にまったく問題がない被害だった。

 また、宮城県津波浸水エリアには83棟の「パルコン」があったが、1棟も流されなかったという。

 同社は、今回の震災で瓦礫の衝突被害が多かったことから、教訓として、「瓦礫にならない家をつくることが重要」と指摘。また、津波の力は、建物が力を受ける面の大きさに比例することから「建物の向きに対しても配慮が必要」とした。

 報告会で開設した、同社営業統括部営業推進部営業推進室参与の橋口裕文氏は、「鉄筋コンクリートの建物比率は、共同住宅の70%に対し、戸建住宅はわずか4%。今後想定される首都直下型地震に向け、火災などの災害にも強い住宅として、都市部を中心に『パルコン』を普及させていきたい」などと述べた。


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