旭化成ホームズ(株)は5日、大手町サンケイプラザ(東京都千代田区)でメディアを対象にした「くらしノベーションフォーラム」を開催した。
同フォーラムは、住生活提案型商品開発の基礎調査・研究を手掛ける同社の「くらしノベーション研究所」が主催し、定期的に専門家の講演を中心に開催しているもの。7回目となる今回は、作家の石川英輔氏が「江戸時代の環境型社会に学ぶ~設備に頼らない省エネの暮らし~」をテーマに講演した。
同氏は、「現在の日本人が1日に使うエネルギーは平均12万キロカロリーであるのに対し、江戸時代の日本人はゼロである」として、現代の消費エネルギーの多くが化石燃料を使い、石油に頼った生活をしていると指摘。太陽エネルギーだけで暮らしていた江戸時代に対して、高度経済成長と共に、いつの間にか設備に頼らないと暮らせなくなってしまった現代の生活を見直すことを提言した。また、「少ないエネルギーで生活していた江戸時代の暮らしの豊かさや、循環型社会のあり方などを、今後の社会の参考にしていくべき」などと述べた。
続いて、くらしノベーション研究所の主幹研究員の村松 浩氏が「しぜんごこちの家」について紹介。同氏は、光や風を家に取り入れるためのプランの提案をはじめ、窓辺にベンチを設けたり、床上げ畳で段差を設け、寄り掛かれるように工夫するなど、家の中に心地よい居場所を増やし、家族や近隣の人が集まりやすいプランなどを提案した。