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東京オフィス市場、空室率が3%台に改善/JLL

 ジョーンズ ラング ラサール(JLL)は、2011年の第4四半期の不動産投資動向と今後の世界市場の見通しを発表した。

 11年の第4四半期の東京オフィス市場は、Aグレードオフィスビルの坪当たりの平均月額賃料が2万7,245円(前期比▲0.1%)で、おおむね横ばいの動き。空室率は3.6%で、前期4.1%から改善した。
 12年の新規供給については、半数以上のビルが竣工時に高い稼働率であることや、震災以降、安全や質を重視する傾向が顕著になっていることから、ネット・アブゾープション(需要吸収量)は、安定的に推移する見込み。空室率は、小幅上昇するものの、おおむね現在の水準を維持する見込みで、賃料は緩やかに上昇すると予測。賃料上昇に伴い、投資利回りは若干低下し、価格は緩やかに上昇すると予測している。

 アジア・パシフィック地域の不動産市場については、11年通年では、同地域のオフィス賃貸借契約面積は記録的な水準を達成したものの、11年第4四半期には一部市場で賃貸活動が減退し始めた。
 オフィス・セクターは、11年第4四半期にAグレードオフィス市場の新規供給量は130万平方メートル。通年の供給量は約600万平方メートルとほぼ安定しており、中国とインドの都市で全体の約3分の2が供給された。11年の合計ネット・アブゾープションは、10年の水準から約20%増加して、最高記録を達成。しかし、11年第4四半期は、企業の景況感と雇用が全般的に抑制され、とりわけ金融センターである香港とシンガポールでこれが顕著となったため、全体的な賃貸活動は減速している。
 住宅セクターでは、11年末には、多くの高級住宅市場の賃貸活動に季節的要因による減速が見られたが、マニラやジャカルタ等の市場は現地需要に支えられて堅調に推移した。

 12年の投資市場については、比較的安定した投資環境が予測され、多くの投資家が日本やオーストラリアなどのコア市場に所在する優良資産に目標を定める見通し。潤沢な資金を擁するアジアの投資家は引き続き活発であることが見込まれ、高リターンを求める地域外投資家の注目も高まると予想している。また、不動産価格は、北京とジャカルタが最も大きく上昇すると予想しているが、利回りは地域内を通じてほぼ安定的に推移する見通し。


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