不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

不動産各社で入社式

 新年度を迎えた4月1日、不動産各社でも、新たに不動産業界の一員となる新入社員を迎えるべく、入社式が執り行なわれた。

 各社入社式での社長挨拶の要旨は、以下の通り(敬称略)。

■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
■三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏
■住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺研一氏
■野村不動産(株)取締役社長 中井加明三氏
■東京建物(株)代表取締役社長 佐久間 一氏
■(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏
■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏
■森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏
■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 八木橋孝男氏
■住友不動産販売(株)代表取締役社長 大橋正義氏
■東京建物不動産販売(株)代表取締役社長 倉重喜芳氏
■大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏
■三井ホーム(株)代表取締役社長 生江隆之氏
■トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏
■東急リバブル(株)代表取締役社長 中島美博氏


■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

 皆さん、入社おめでとうございます。
 人生の門出となるこの日に、ひとことお話をさせていただきます。

 昨年日本は「東日本大震災」という未曽有の大災害に見舞われました。この震災は甚大な被害をもたらすとともに、エネルギー供給問題等将来に向けての大きな課題を投げかけました。
 また、欧州経済危機は、世界経済全体に影響を及ぼしていますが、日本の財政状態もまた、税財政と社会保障の一体改革をスピード感をもって成し遂げなければ、欧州と同じような状況になる可能性をはらんでいます。さらに日本はTPPへの参加など国を開くことで、グローバル化する世界で堂々と戦える国際競争力をつけていく必要にも迫られています。
 今年は日本にとっていろいろな意味で正念場の年となると考えます。

 三井不動産グループは、昨年創立70周年を迎えましたが、当社は、日本の成長とともに進化し、それぞれの時代の「パラダイムの転換」を捉え、新たな「価値創造」にチャレンジし続けてきました。それこそが当社グループのDNAです。
 当社グループのステートメントである「都市に豊かさと潤いを」は、お客様に豊かで潤いのある「すまいとくらし」を提供し、街づくりを通して、日本の社会の発展や経済成長に貢献していこう、という強い意思を表したものです。また、グループビジョンで示す「&マークの理念」は、多様な価値観を、「&」として両立・共存させようというものです。この理念は街づくりをするうえでも、また、我々の本業を進化させていくうえでも非常に重要です。今後成熟化の進展する国内マーケットやグローバルマーケットにおいて、当社は、お客様やマーケットの変化をしっかり捉え、進化や価値創造の方向性を見出し、企業として成長し続けていかなければなりません。

 次に入社にあたって、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことをお話しします。
 まず、「自立した個人」になるということ。
 「自立した個人」が「会社のビジョン」に「自らの志」を重ね合わせ「自己実現を果たしていく」ことが重要です。
 二つ目は、「幅広い視野を持つ」ということ。
 自らの可能性を伸ばしていくためには、「好奇心」や「ネットワーク力」、価値ある情報を感じ取る「感性」が必要です。社内外・世代を問わず、またグローバルに「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を広げていただきたいと思います。
 三つ目は、「チャレンジスピリットを持つ」ということ。
 これから仕事をしていくうえで、様々な困難に直面することがあると思います。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮して対応していただきたいと思います。
 四つ目は、「健全な心身を保つ」ということ。
 常に心と体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。
 そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」ということ。
 世の中の不祥事の多くは、常識の欠如に起因することがほとんどです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです。

 不動産業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。三井不動産グループが、更に魅力あふれる企業グループであり続け、また今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。


■三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏

・昨年は、東日本大震災・欧州債務危機もあったが、厳しい時代だからこそ、強い意志を持って、当社グループの10年後の目指すべき姿を掲げた中長期経営計画「BREAKTHROUGH2020」をスタートさせた。皆さんの若い力が、当社グループの新たな価値創造の原動力になることを期待している。

・当社には、時代が移り変わっても「守るべき」我々の原点、三菱三綱領(所期奉公・処事公明・立業貿易)がある。現代風にいえば、それぞれpublic、fair、global。公明正大にグローバルな視点で社会に貢献するという意識をもつことである。

・本日から当社グループの一員として仕事に取り組む上で、次の5点を大切にしてほしい。
(1)インテグリティ・コンプライアンス:誠実な行動を心がけ、いかにお客様との信頼関係を築けるかが重要である。コンプライアンスは単に法律を守るという意味だけなく、お客様や社会のニーズを捉え、応えていくことだという認識をもって欲しい。
(2)チームワーク・アズワンチーム:一人の力には限界がある。皆の力を結集することで、1の力が5にも10にもなる。仲間への信頼や思いやり、連携によって組織としての力を発揮することを念頭において欲しい。
(3)チャレンジ志向:失敗を恐れて何もしないより、失敗したとしてもその分成功に近づいたと考え、チャレンジする姿勢を大切にして欲しい。
(4)グローバル:海外へ進出する外なるグローバル化と日本・東京に海外から人や資金を呼び込む内なるグローバル化がある。語学だけではなく、多様な価値観を受容し、理解できる真なるグローバル力を高めて欲しい。
(5)カスタマーオリエンティッド:お客様が心の奥底で何を考えているかを十分考えて行動してほしい。

・与えられた仕事を「こなす」だけではなく、全ての機会を自らが成長する機会と捉え、次の成長へのステップとし、共に新しい三菱地所をつくっていって欲しい。


■住友不動産(株)代表取締役社長 小野寺研一氏

 住友不動産グループを代表して、皆さんの入社を心より歓迎します。
 現在、当社グループは、「増収増益路線への復帰」と「過去最高業績の更新」を目標に掲げ、第五次中期経営計画の達成に、全社一丸となって取り組んでおります。
 グループ従業員数は、昨年1万人を突破しました。皆さんには、その中核を担う人材として、また、当社グループ最大の特徴である「成長力」を将来にわたって支える人材として、大いに期待しております。一日も早く一人前になって、会社に貢献できるよう努力していただきたい。
 そのためには、仕事の基本である、報告、連絡、相談、いわゆる「報・連・相」をしっかりと実行することが肝要です。これは、組織を機能させるための基本でもあり、ビジネスパーソンとしての原点です。皆さんには、この原点をぜひ大切にしてほしいと思います。
 皆さん、これから一緒に頑張ってまいりましょう。


■野村不動産(株)取締役社長 中井加明三氏

 企業を支えるのは一人、一人の力です。「人を育てることが全ての戦略実現につながる」が私の信念です。高い志と夢を忘れずに何事にも前向きにチャレンジしてほしい。会社はチャレンジするための様々な機会を提供します。皆さんが積極的にチャレンジして成長する姿を楽しみにしています。

 野村不動産グループのミッション。
 「私たちは、すべての出会いを大切にし、一人ひとりの創意工夫とグループの力をもって、こだわりのクオリティーを実現し、社会からの信頼に応えます。」を共有し、将来への強い意志を持ち、良いモノをつくり、良いサービスをプライドと責任をもって全員一丸となって社会に提供しましょう。


■東京建物(株)代表取締役社長 佐久間 一氏

 皆さん、入社おめでとうございます。
(一部省略)
 本日は無限の可能性を持った皆さんを、新しい仲間として迎えることとなりました。心より歓迎すると共に、皆さんの若々しい力に大いに期待しています。
 創業116年目を迎えた今、当社は乗り越えなければならない試練に直面していますが、こうした時こそ、常日頃からお客様の立場を最優先に考えるとともに、各部店が部署間の垣根を越えて協力し、お客様や社会に評価される商品やサービスを生み出していくことが大切です。
 皆さんも、一人ひとりが企業理念「信頼を未来へ」を体現し、若さ溢れる「新しい風」を「変革」の為にどんどん吹き込んでもらいたい。そして組織全体で「自己変革への挑戦」を続けることによって、この難局を乗り越え、この会社を次の成長へ導いていこうではありませんか。
 また社会人生活を送るに際し、特に以下の3点を意識して下さい。

(1)基本に忠実に学ぶ」こと
基本なくして応用はなく、社会人として、企業人として、そして不動産の基本を学んで欲しい。「謙虚」な気持ちを持ち続け、少しずつでも前進することが大切。

(2)「あらゆる人との『出会い』を大切にする」こと
長い社会人生活といえども一人の人間が会える人の数は限られている。一つ一つの出会いを大切にして欲しい。

(3)「健康」であること
健康なくして何事も為し得ることはできない。健康管理には自分で責任を持ち、くれぐれも留意して欲しい。


■(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏

 大京グループへの入社、誠におめでとうございます。グループ全役職員を代表して心からお祝い申し上げます。

 昨年3月の東日本大震災から約一年が過ぎましたが、これまで多くの方々の支援、協力を得ながらやっと復興にむけ動き始めたばかりです。被災地においては仕事、住居、健康、がれき処理、補償の問題など、首都圏においても液状化に伴うインフラ、ライフラインの整備、電力不足など残された課題は数多くあります。
 衣食住の「住宅」を業として36万戸を超える住宅を提供してきた当社グループは、そこに住まう方々の安全と安心を更に高めるために、やらなくてはいけないことがまだまだ沢山あると痛感させられました。この一年、当社グループは東日本大震災を経験し、そこから学び、更なる防災対策を施したマンションを企画し、それを標準化してきました。今後においても様々な災害に対し、お客さまに安心して住まい続けていただくよう安全な住宅を提供する使命があります。

 世の中はものすごいスピードで変化しています。絶対大丈夫と思われるものが壊れ、確実なるものが存在しなくなってきています。世界の人口は昨年10月に70億人を超え、毎年7,800万人が増加していますが、日本は少子高齢化が進み、人口は減少、成長過程から成熟社会に移り、政治も経済も企業の有りようも確実に変化が求められています。

 このような環境変化の中、当社グループはお客さまに対し、関わり方を変革させようとしています。ハード面では、これからまた発生するかもしれない地震への備えとして、建物の制震、免震化などより耐震性を高めていき、電力不足、地球温暖化に対しては地球に優しい自然エネルギーの活用促進を更に進めていかなければなりません。また、ソフト面では少子高齢化という社会的構造変化に対してさまざまな形でサポートしていかなければなりません。
 このハードとソフトの両面から住まいをより良いものにすることが、当社グループの経営理念であり、「私たちは、グループの力を合わせ、あらゆるライフステージに応える住まいとサービスを提供し、『住文化』の未来を創造していきます」というものです。
 この経営理念を果たすために、現在取り組んでいる大京グループビジョンの中で掲げたキーワードとして「Innovation」と「Challenge」の2つがあります。
 「Innovation」は、新たな国内ビジネスを創造し、お客さまの声をビジネスへ繋げる仕組みを構築していくことです。「Challenge」は、グローバル化に向けての準備・投資をしていくことです。
 当社グループでは、リアクティブな改革は終了し、これからはプロアクティブな変革をするため新しいものを創り出していくフェーズに入ってきました。

 そして、当社グループが最も成し遂げたいことは「コーポレートブランド価値の最大化」です。ライオンズマンションというブランドは周知されていますが、大京グループという会社を評価してもらえるようにしていきたいと思っています。大京グループのコーポレートブランドを高めていくために、社会に認められる仕事の結果を継続して引き出していきます。
 また、お客さまの声を聴く文化を醸成し、商品企画に、グループ連携に、そして新しいビジネスの創造に活かし、お客さまから選ばれる新しい「不動産サービス事業」を目指していきます。買っていただける、選んでいただける住宅を造るだけでなく、愛して長く住み続けていただく住宅を造っていきたい。そしてそこに誇りを持てる社員を創り出していきたいし、皆さんにもそのような社員になっていただきたいと思います。

  皆さんは今日から大京グループの一員です。今日から社会に、また当社のお客さまに対し無責任な行動、対応はできません。一人ひとりが大京グループの社員だという気持ちを心に刻み、お客さまから支持をいただけるよう努めてください。お客さまの声は当社にとっては大切なご意見です。皆さんへのご意見は会社に対するご意見であり、大京だから許されないことが多々あります。これまでどこよりも多くのマンションを提供してきた会社だからこそお客さまからの期待は大きく、無責任な行動、対応は絶対にできません。そのことを肝に銘じ大京の社員として、社会人として常識を持った、責任ある行動を約束してほしい。そうして早く独り立ちし、皆さんが今よりもっと素晴らしい住まいとサービスを世界中の人々に提供し、未来の住文化を創り出すような活躍を期待しています。

 最後になりますが、心身ともに健康を保ち、これからの皆さんの会社生活が実り多きものとなりますよう祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。


■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 建設・不動産業界は、国内市場の構造的変化や、ここ数年の経済環境、昨年の震災により取り巻く環境が大きく変わりつつあります。それは住宅に対する需要の変化や、建物の安全・安心に対する価値観、住まい方の変化にも表れてきています。

 そのような中、当社は「PLAN for NEXT(4N計画)」という新しい中期経営計画を掲げ、新たなステージに向けてのスタートを切りました。当社は、今年2月に創業75年を迎えましたが、これまでに何度も大きな危機を乗り越えて成長し、今につながっています。皆さんも変化や厳しさへの対応は“成長への好機”と捉え、何事にも臆することなく、夢と希望をもって前向きに明るく社会人としてのスタートを切ってください。そして、長谷工グループのことをしっかりと勉強し、自分の会社に「自信と誇り」を持っていただきたいと思います。

 長谷工グループは「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」を企業理念として行動しています。それは「住まいのオンリーワングループ」として、お客様に「安全・安心で快適な生活環境を提供する」ということです。そのためには、長谷工コーポレーションの営業・技術・管理の各部門とグループ各社が連携を強め、情報を共有し、求心力を高めて、総合力を発揮していくことが大切です。そして、その源泉となるのは人です。人が働いて、汗を流して、はじめて「いいものづくり」ができ、「いいサービス」が提供できます。
 人は一人では何もできません。誰か一人が手を抜いてもうまくいかなくなります。一人一人が確実にその責任を果たしながら、お互いに協力し合って成果を出していく、それが「長谷工のものづくり」なのです。

 新入社員の皆さんも、早くこの一翼を担う人材となってください。職場の上司や先輩の良い面を学び、自分の会社を好きになってください。そこから成長が始まります。皆さんが一日も早く成長し活躍されることを期待しています。


■森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏

「日本のために活躍を」
 世界経済が混沌とするなか、我々を取り巻く経営環境も厳しい状況にあるが、私は悲観していない。なぜなら、東京の持つポテンシャルや魅力を最大限に引き出せば、真のリーダーとしてアジアを牽引できると確信しているからだ。なにより、東京が国際都市間競争に勝ち残ることが、日本が生き残るための道であり、今後数年間でその道筋ができるかが勝負となる。
 そして、その東京の中心が森ビルの主戦場であり、東京に真の国際都心をつくることこそが、我々の使命だ。森ビルは間違いなく、街の開発においても運営においても、世界の最先端をいくディベロッパーだ。亡くなられた森 稔会長の都市づくりの思想、情熱、志を継承し、さらに進化させ、ぶれることなく「森ビルらしい、森ビルにしかできない街づくり」に邁進することで、日本の未来に貢献していく。

 幅広く、奥の深い街づくりの仕事には、様々な分野のプロフェッショナルを生かし、束ね、総合力により街づくりを推進していく強力なリーダーシップが求められるが、その第一歩は、自分の仕事を覚えて、しっかりと自分のベースを築くことが重要だ。そのうえで、様々なことに興味を持ち、自ら考え、イメージし、失敗を恐れずに挑戦する。しっかりとしたベースがなければ新しいものは生み出せない。そして、どんな困難があっても諦めずに、新しいこと、難しいことに挑戦することで人は成長する。
 若い人に元気がない企業や国に発展はない。森ビルの街づくりは、これまでの既成概念や常識を覆すものであり、だからこそ超えなければならないハードルも高いが、未来を創る仕事に、年齢は関係ない。皆さんにはぜひ、森ビルのためだけではなく、日本のためにも元気よく活躍していただきたい。『龍になれ、雲おのずから集まる』森会長が好きだった言葉であり、これが森ビルのスピリットだ。改めてこの言葉を胸に刻み込み、皆さんの成長と活躍を心から期待する。


■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏

 皆さんのご入社を、役職員を代表して心より歓迎いたします。

 本日は皆さんが社会人としてのスタートを切られる日であると同時に、当社も新たなステージで業務を開始する記念すべき日であります。

 既にご存知のとおり、本日、三井不動産販売(株)、三井リハウス東京(株)、三井リハウス西東京(株)、三井リハウス湘南横浜(株)、三井リハウス関西(株)、三井リハウス名古屋(株)の6社が合併し、「三井不動産リアルティ(株)」が誕生しました。不動産仲介事業と駐車場事業を基幹事業とする、社員約3,500名、地域会社を含めると約4,000名を擁する日本最大級の不動産営業会社に生まれ変わり、より高い成長性と収益力を持つ会社として、一層の発展を目指すことができるようになりました。
 皆さんは、それぞれの会社で入社内定されていたわけですが、こうして三井不動産リアルティの第1期新入社員としてお迎えできることを、心から喜ばしく思っています。

 さて、昨年3月の東日本大震災から1年あまりが過ぎました。復興の方はスローペースでありますが、経済面ではヨーロッパの通貨不安も一段落し、企業の生産活動も震災やタイの洪水被害を乗り越え、ほぼ震災前の水準に戻ってきており、それに伴って株価も上昇して最悪期は脱し、今年の経済成長率も昨年より大きいだろうと言われています。

 また、中期的な事業環境に関しても、少子高齢化・グローバル化が進展し、日本での成長性の限界を感じる企業が多い中で、当社の事業領域は、住宅仲介はもちろんリパークや法人仲介分野でも、市場拡大が見込まれ、またシェア向上の自助努力による成長余地も大きい恵まれた環境にあるといえます。
 特に住宅仲介事業においては、国の住宅政策はストック重視の方針に転換され、住宅関連税制においても新築住宅とほぼ同様の取得優遇策がとられるようになり、また、一昨年政府が策定した「新成長戦略」では2020 年までの目標として「中古市場・リフォーム市場の規模倍増」が掲げられています。人口減少・世帯数減少により新築住宅市場が先細りを強いられるなか、三井不動産グループの住宅ストックビジネスを担う重要な会社として、期待されているところであります。

 私たちは、会社創業以来お客様から「三井」と言うブランドに対して、非常に大きな期待と信頼を頂いております。これは、長年にわたる先輩諸氏の努力の結晶であり、言うまでもなく私たちのとても大きな財産です。説明によってではなく「三井」というブランドによってお客様に会社をご理解いただき、営業マンが信頼され、業務に取り組めることは大変幸せなことです。しかしながら、信頼は一夜にして失墜することもあります。 皆さんも今日から三井ブランドの下で働く者として、自分の行動を三井の人間として相応しいか自問自答するとともに、お客様にいい仕事・いいサービスを提供してさらに大きな信頼を勝ちとれるよう、日々の仕事に取り組んでいただきたいと願っております。
 そして、当社はブランドと営業マンが財産であり、それ以外の資産がない営業会社でありますから、リハウス・アセット・リパークどの部門においても、社員一人ひとりが自らの目標を確認し実行してください。三井不動産リアルティの原点・存在価値は、強い営業会社として生きていくということにあることを記憶しておいて下さい。

 最後になりますが、何よりもまず心身を健康に保ち、自由に自分らしく力いっぱい活躍していただけることを記念して、私の挨拶といたします。


■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 八木橋孝男氏

 当社は三菱地所の住宅事業部門、藤和不動産、そして三菱地所リアルエステートサービスの住宅販売部門を統合し、三菱地所レジデンスとして昨年一月に発足し今年2年目になる。
 パイオニアスピリット、業務活動における堅実さ、そして如何なる状況にあっても勝ち抜く逞しさなど3社の優れている点を大切にしながら、新社の戦略のもと、役職員一人ひとりが東日本大震災という困難な状況を乗り越え、全国におけるマンション供給戸数をNo.1として発足一年目を終えたところである。

 当社としては、供給戸数はさることながら、提供するマンションの商品、並びにサービスの品質において、他社の追随を許さない会社とすべく、全社一丸となって取り組んでいる。数多くのお客様に信頼され、そして高い評価をいただきつつも、内にあっては各自が自由闊達で刺激しあい、社員一人ひとりが成長を実感できる企業風土を作るべく取り組んでいる。若い皆さんのエネルギーが一日でも早く発揮されることを期待している。

 我が国は今、本格化する国際化の中で、大きな岐路に直面している。三菱地所レジデンスとして、我が国社会に何ができるか引き続き問い続けていくためにも、皆さんには様々な分野で好奇心を旺盛に持ち、前向きに取り組んでいくなかで、自らの人格を陶冶され、幅広い魅力的な人間になって欲しい。

 本日から、組織の一員としての生活が始まるが、まず皆さんには自分の成長にとって良いと思われる本当にいい習慣を身に着けて欲しい。それぞれの職場で若さを発揮し、チャレンジをしながら、活躍して欲しい。


■住友不動産販売(株)代表取締役社長 大橋正義氏

 皆さん「住友不動産販売」入社おめでとう。

 私からは皆さんの入社にあたり、心がけて欲しいことを3つ申し上げます。第一は「報・連・相を徹底せよ」。各職場における円滑なコミュニケーションと情報の共有は大変重要です。第二は「一体感を持って仕事に取り組む」。センター一丸、部一丸、全社一丸、当社の強みはここにあります。第三は「スピード」。「スピード」すなわち「確実に早く」をモットーに、与えられた業務における自己研鑽に励んで下さい。

 どんなに素晴らしい会社でも、どんな進歩している会社でも、改革無くして先には進みません。小さなことでも改革をやっていかなければならないと思っています。そのためにも、私は皆さんの先輩社員にはどんなことでも提言をして欲しいと言っています。皆さんも早く会社に慣れて、仕事に慣れて、気づいたことはどんどん言ってください。皆さんのような若い方の意見を是非聞かせてほしい。今後も当社が発展していくためには、若い知恵と力が必要です。新しい時代を切り開くのは皆さん方、若い力です。

 最後に、何と言っても「健康」が第一です。当社には工場もなければ物もない。当社の財産は人そのもの、人で勝負する会社です。皆さんが心身共に健康でいてくれることが当社にとって一番大切です。どうか健康に留意して、明るく元気に、そして早期に「当社を支える人材」になっていただきたい。


■東京建物不動産販売(株)代表取締役社長 倉重喜芳氏

 新入社員の皆さん入社おめでとうございます。

 今年は2年をかけて構築してきたニュービジネスモデルを大きく開花させる重要な年です。お客様のニーズの動きや内容を当社が中心となって吸い上げることがグループの収益に寄与します。「仕事を通じて社会やお客様の役に立つのだという志」をもってお客様に感動を与えるような仕事にともに取り組みましょう。

 新入社員の皆さんに期待したいのは、「当事者意識」です。仕事を知らないことや社会を知らないことは欠点ではありません。すべて受身で教えてもらう立場、育ててもらうという受身の発想からは何も芽生えません。当事者としての自覚を持つ人に大切な仕事が任せられます。「なぜ」を繰り返し、納得いくまで知恵を使って考え抜く習慣を身に付けて、その本質に迫って欲しいです。


■大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏

 昨年は、東日本大震災や原発事故など、これまで我々が経験したことのない災害が発生した激動の1年でした。未だ復興も道半ばで経済情勢も不安定ですが、皆さんは自分たちの手で新しい時代を切り開いていくのだという強い意志を持つとともに、何事にも積極果敢にチャレンジする気概を持って仕事に励んでください。

 当社は今年、創業58年目に入りました。先輩社員の頑張りにより、幾多の困難を乗り越え、建設業界1位の売上高1兆8,000億円を見込むほどの企業群にまで成長・発展してきました。しかしながら、個別の事業ではシェアNo.1を取れていない状況です。真のNO.1になるべく、常に「挑戦者」として仕事に挑んでください。
 そして、仕事に対しては常に「夢」と「使命感」を持ってください。何事に対しても、決意をもって臨み、執念で目標を必ず達成するという気概を持ってください。
 当社グループの「夢」は、創業100周年に売上高10兆円の企業群になることです。また、来年度には売上高2兆円を達成するという「使命」があります。皆さんも「夢」の担い手であり、「夢」の実現のため、そして「使命」達成のため、鋭意努力してください。

 昨今はグローバル化により、産業構造が目まぐるしく変化しています。当社においても、事業領域を拡大させるとともに、海外進出を加速させ、創業100周年の売上高10兆円の際、7兆円を海外で稼ぐという目標があります。そのため、皆さんには世界的視野にたって、この変転やむことなき世界を自由に泳げる人間になっていただきたい。常に好奇心を持ちながら、アンテナを高く張り巡らせ、政治・経済・社会・文化など様々なテーマに見識を持ち、知見を広めてください。

 最後に、皆さんは今スタート地点に立ったばかりです。これから各事業所で上司・先輩から様々なことを教わることになりますが、全てを吸収し、実践の場で活かせるよう、「行動第一主義」をスローガンにまずは実行してみてください。皆さんが一日でも早く活躍されることを心から期待しています。


■三井ホーム(株)代表取締役社長 生江隆之氏

 三井ホームへの入社、おめでとうございます。三井ホームグループを代表して皆さんを心より歓迎します。
 東日本大震災から一年が経過しました。この未曾有の事態に被災された方々にあらためて心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。被災地域には、当社でご建築いただいた多くのお客様がいらっしゃいます。三井ホームでは、震災直後から災害対策本部を設置し、オーナー様対応にあたるとともに、8月までに宮城県女川町と福島県南相馬市にあわせて257 戸の応急仮設住宅の建設のお手伝いをするなど、復旧・復興に向けグループで総力をあげています。

 昭和49年10月の設立以来、三井ホームはツーバイフォー住宅のリーディングカンパニーとして、これまでに全国で累計20万棟を超える家づくりのお手伝いをしてまいりました。これは、私たちの先輩諸氏から続く努力がお客様にご評価いただいた結果に他なりません。私たち三井ホームが大切にしてきた『チャレンジ精神』『フロンティアスピリット』を新たに三井ホームの未来を担う皆さんに受け継いでいただきたいと思います。一方、38年前の創立時からみれば、少子高齢化や生活文化の移ろいなど社会情勢は大きく変化しています。
 そんな中にあっても、私たち三井ホームは世の中から常に必要とされる存在であり続けなければなりません。そのために、私たちは企業としての歴史の重みを大切にしながらも、時代に柔軟に変化し、さらにこれからの時代をリードしていかなければなりません。厳しい時代ともいえますが、その反面、大きな飛躍のチャンスでもあります。
 常々私は、社員に「全員で一緒に舞台に上がろう、舞台をつくろう」と繰り返しお伝えしています。今日から皆さんにはお客様に“暮らし継がれる家”をお届けする大きな「舞台」にあがっていただきます。
 三井ホームグループ「第二の創業」期であるこの時に皆さんをお迎えできたことを大変心強く感じています。当社のグループステートメントは「暮らし継がれるよろこびを 未来へ」というものです。お客様が家づくりを通して感じる“よろこび”を私たちがともに感じ、そしてその“よろこび”を、お客様が暮らしの中でいつまでも持ち続けていただく。そのお手伝いをしたいという私たちの想いそのものです。
 この想いを皆さん一人ひとりがぜひ感じ取ってください。三井ホームには皆さん自身を成長させる自らの可能性と出会う機会がたくさんあります。活躍を期待しています。今日から仲間です。一緒に頑張りましょう。


■トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏

 新年度のスタートにあたり、若さと希望に満ちあふれる21名の皆さんを迎え、トヨタホームに新しい力が加わったことを、大変心強く思っております。
 東日本大震災から1年余りが経過しました。復興に向け、被災地では力強く着実にその歩みを進めています。私たちはトヨタホームのブランドビジョン「Sincerely for You ~人生をごいっしょに。~」を常に念頭に置いて、少しでも早い被災地復興のお役に立てるよう、今後とも全社をあげて取り組みたいと思います。

 住宅業界を取り巻く環境は、平坦なものではありません。私たちが大事にしなければならないことは、トヨタのモノづくりの原点を守り抜くことです。「お客様第一」「品質第一」「現地現物」という基本を愚直に実践し、創業の精神である「日本の住まいをよくする」ということを実現したいと思います。
 トヨタホームの強みは、トヨタグループの技術力を結集した住まいづくりにあります。そして、それぞれの技術が結集した地球環境にやさしい家が、トヨタホームのスマートハウスです。スマートハウスは、これからどんどん進化します。皆さんもスマートハウスと同様、トヨタホームと共にたくましく成長していくことを期待しています。

 本日は、新入社員の皆さんに心がけてほしいことを、3つお話します。
第一に「常にチャレンジ精神を持って、仕事に取り組んでほしい」ということです。目標実現のために「やるべきこと」はどんなことであっても、勇気を持って、失敗を恐れず、果敢に挑戦してください。第二は「コミュニケーションを大切にする」。積極的にコミュニケーションを取ることで、いろいろなことを学んでください。そのためにも、先ずは元気よく挨拶をしっかりすることを忘れないで下さい。第三は「周囲の方への感謝の気持ちを忘れない」ということ。トヨタホームはお客様からのご愛顧や関係者のご支援に支えられて、37年の歴史を刻んできました。今後は、皆さんもトヨタホームの一員として、周りの方々への感謝の気持ちを持ち、日頃から礼儀正しい立ち振る舞いや行動を心掛けてください。

 最後に、これから皆さんがトヨタホームの一員となるにあたり、くれぐれも健康と安全に気を付けていただき、トヨタホームが皆さんにとって、夢をかなえる、かけがえのない人生の舞台になることを祈念いたします。

東急リバブル(株)代表取締役社長 中島美博氏

 皆さんが就職活動をしていたのはちょうど1年前、昨年の今頃だったと思います。東日本大震災の後でいろいろと大変なこともあったでしょうが、その困難な時期を乗り越えて、今日、晴れて東急リバブルの社員になりました。会社を代表して皆さんの入社を歓迎いたします。おめでとうございます。

 当社は、昨年度に長期ビジョン達成に向けた第一歩となる中期経営計画を策定し、新たな目標を目指して活動を続けています。そのなかで、私が社員の皆さんにお願いしていることは、「変化」です。同じことをやっていたのでは競争相手に勝つことはできません。常に新しいことにチャレンジして、「変化」していくこと。それが我々のキーワードです。そのためにも、今日から一緒に仕事をする皆さんの若い力と感性に期待しています。ぜひ、早く仕事を覚えて、目標の達成に向かって一緒に進んでいただきたいと思っています。

 ここにいる皆さんは、全く同じ位置、ゼロのスタート地点に立っています。学校で必要だった能力と、社会人としてこれから必要になる能力はまた別のものです。これからの自分の行動、勉強、努力によって、10年後、20年後に大きな差がでます。社会人のスタート地点に立った皆さんにとって、とくにこの1~2年の頑張りは重要だと考えてください。
 これから行われる研修で勉強し、配属先では上司・先輩たちの優れた仕事を見聞きして学び、本を読み、ここにいる仲間たちとも切磋琢磨し合いながら努力してほしいと思います。そして、仕事はもちろんプライベートも含めて幅広い経験を積み重ねながら、人間として大きくなっていただきたい。その結果として、大きな仕事やレベルの高い仕事ができるようになることを期待します。

 仕事をすればいろいろと大変なこともあるでしょう。辛いこともあると思います。それでも、いつも前を向いて、常に上を目指して、一緒に頑張っていきましょう。


最新刊のお知らせ

2025年7月号

定住・関係人口増加で空き家も活用? ご購読はこちら