全米リアルター協会(NAR)は16日、「日本における不動産流通の展望」と題した講演会を開催した。不動産流通先進国のアメリカ住宅事情や不動産業におけるマーケットの実態から、日本の住宅不動産流通を展望することが目的。
開会に当たり挨拶したNAR2013年度会長のギェリー・トーマス氏は、「当協会は11年11月、世界各国の不動産情報が閲覧できる『リアルタードットコムインターナショナル』をスタートし、現在は16ヵ国と100万件以上の物件取引を行なっている。日本の不動産業界団体の皆様にもご協力いただき、双方の関係を強化することで、それぞれの国の不動産流通活性化はもとより、国際不動産流通の活性化につながることを願っている」などと抱負を語った。
国土交通省土地・建設産業局不動産業課課長の野村正史氏は「我が国における不動産流通の課題」をテーマに特別講演を実施。同氏は、中古不動産流通を阻害する要因として、リフォームの際の情報提供量が少ないことなどを挙げ、「今後は、不動産会社が仲介時に積極的なリフォーム提案していくことが必要」などと述べた。
また、NAR代表日本大使のジェイスン渡部氏は、NARの「リアルタードットコムインターナショナル」について講演。日米両国間の提携をにらんで「今年、あるいは来年までにはNARの協力事務所を東京に設け、今まで以上に密な情報交換を行なっていきたい」などと語った。