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防災性能高めた一体的なまちづくりを/不動協が報告書

 一般社団法人不動産協会は19日、262回理事会を開催。2011年11月に発足した「都市の防災機能を高めるために不動産業の果たすべき役割研究会」の報告書をとりまとめた。

 同研究会は、都市の防災力の向上への取り組みを一層加速するため、公民連携を深め都市の防災機能を高めるために不動産業の果たすべき役割を検討することを目的に設置したもの。明治大学公共政策大学院の青山 佾教授を座長とし、同協会会員企業が委員として参加。オブザーバーとして、内閣官房地域活性化統合事務局等の関連行政も参画した。

 報告書では、不動産業がさらに推進すべき取り組みとして、街区やエリアの防災機能を高める一体的なまちづくりや、交通ターミナル等の防災性能の向上といった「防災に優れたまちづくり」、新築オフィスビルにおける非常用発電設備の備蓄燃料増量やテナントへの防災に関する啓蒙活動等を行なう「防災に優れたオフィスビル」、防災備蓄倉庫の設置や家具の転倒防止策の推進といった「防災に優れたマンション」、一斉帰宅抑制の取り組みの周知徹底や一時滞在施設の提供の協力といった「帰宅困難者対策」の4つを主要な課題として提示した。

 こうした取り組みを公民連携のもとで実施していくとした上で、「民間として蓄積した事業ノウハウや資金力を活かしたまちづくりの推進」や「多様な関連事業者との連携による防災への取り組みの推進」、「ビルテナントやマンション入居者に対する意識啓蒙活動」を民間の役割と位置付け、会員各社に対応を求めていく。

 このほか理事会では、12年度事業計画(案)を決定し、(1)税制改正に関する取り組み、(2)都市再生の推進、(3)良好な住宅ストックの形成、(4)環境への取り組み等を重点的に実施していくとした。

 同日会見した同協会理事長の木村惠司氏は、「国民の求める安心・安全の確保に応えるためにも、都市の防災対策は不動産業界の担う役割と言える。喫緊の課題である防災と省エネの両立のために、国と連携しながら検討を進めていきたい」などと語った。


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